お問い合せ

『成しとげる力』⑱

○ 〝陰の極〟までやり抜けば、劇的に好転する

 

私は毎週のように現場に出て、具体的な事例を突破口に意識改革を迫った。

一つひとつの削減額は大したものではないかもしれないが、会社全体の

規模になると莫大な金額になる。

それが原価や経費の削減につながったのだ。

社員の意識も徐々に変わり、それが力になって利益を押し上げていった。

その結果、創業以来、赤字とわずかな黒字のくり返しだったところが、

たった一年で営業利益率が十二パーセントに跳ね上がったのだ。

新製品も出ていない。社員も以前のままだ。何が変わったのかといえば、

それは社員の意識だった。

 

その過程で私は何度も、「隠の極」までやったのかと問い直した。

たとえてみるならば、重箱に入れたご飯をすべて食べたと思っても、

よく見ると隅っこにまだご飯粒が三つほど残っている。

それも見つけてすべて食べきる。それだけではまだ不十分で、さらに

ご飯のなくなった重箱にお湯を注いで飲む。それぐらい徹底してやり

尽くしたのか、と問うたのだ。そこまでしなければ、「隠の極」には

ならない。

もちろん、未来永劫それをやり続けるわけではない。

しかし、これまで長い間赤字を続けてきた会社が黒字に転じるには、

それぐらい徹底して初めて効果が出てくるものだ。

あっというまに利益が出て、成功の喜びを一度でも味わうと、これまでの

景色が一変する。そこで初めて意識が変わるのだ。

 

つまるところ、当たり前のことを当たり前にやっていれば、会社は

自然に利益が出るものである。赤字を続けていたということは、当たり

前のことができていなかったということだ。言い訳をいっさいせずに、

当たり前のことができるようになれば、必ずや業績は上向いてくるので

ある。

私の好きな言葉に、「箸よく盤水を回す」というものがある。

盤水とは、盤すなわち丸い皿、たらいに入った水のことである。

細い箸一本で盤水を回そうと思っても、最初は水を切るばかりで、

いっこうに動かない。

しかしあきらめてやめてしまったらそれまでである。

細い箸でも根気よく回し続けていくと、やがて水は大きな渦を描いて

回っていくものである。これもまた、小さなことをたゆまず続けていけば、

やがて大きなことをなしうるというたとえである。

 

● 未来永劫

 

これから先、無限に長い年月にわたること。みらいようごう。

「戦争の苦しみを―忘れない」

 

● 箸よく盤水を回す


たらいのような大きな器に水をいっぱい入れて、箸一本で真ん中を

ぐるぐるぐるぐる根気よく回していると、最初は箸だけが回って

いるようだがそれをいつまでも、いつまでも回し続けると、いつの

まにかだんだん水が回り始めます。大きなたらいのような水も全部

回り始めるという事です。

小さな灯火をともしつづける事 

はじめ小さくても”あきらめず、あきらめず”自分を信じてください。


「箸よく盤水を回す」諦めない事

 

一人光る、みな光る、何も彼(か)も光る。まず一人の蛍の光ぐらいでも

いいから小さな灯をつけ、この灯をともし続ける。そして一人が輝き

続ければ、必ずその光をもとにして周囲にその光を求めてくる人、また

集まってきた人がみずから光り輝けば、いつの間にか全部を光輝かせる

ことができるわけですね。

光り輝き続けることは、大変なエネルギーが必要です!

そういう中で光り輝き続けたときに、初めて、その人の人生の価値が

あると思うんです。

相田みつを先生の言葉に


  道をつくる   道をひらく 

  人のつくった道を歩いたのでは、それは自分の道ではない


どうか、自分で道を切り開いて人のための道をつくっていってください。

まず一歩から、まず歩き出すことから創めませんか

 

 

この続きは、次回に。

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