お問い合せ

「道をひらく」松下幸之助 ①

今回から、松下幸之助著「道をひらく」を続編とともに、ご紹介致します。

 

ご紹介する前に、私が若い時(社会人時代)に松下幸之助氏の「水道哲学」を

教えていただいた事があります。

そこで、改めて「水道哲学とは」をインターネットで検索して見ました。

 

「水道哲学」を再認識した上で、「道をひらく」をご紹介したいと

思います。

 

2023年3月6日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

水道哲学とは、松下電器産業(現パナソニック)の創業者・松下幸之助

提唱した経営哲学だと言われている。水道の水のように安価ですぐに

手に入るものは、生産量や供給量が豊富であるという考えから、商品を

大量に生産・供給することで価格を下げ、人々が水道の水のように容易に

商品を手に入れられる社会を目指すという考えのこと。


 

松下幸之助の「水道哲学」は現代にも

有効だ

商売をする者の使命とはなにか

江口 克彦 : 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、

台北駐日経済文化代表処顧問 2016/06/17 10:00

 

商売をするものの使命はなにか。この世から貧をなくすことである、

世の中を豊かにすることである。物の面から人びとを救うことである

――その基本の考え方、松下幸之助の悟りはやがていわゆる「水道哲学」

へと発展していく。産業人という点に絞って言えば、「いい物を安く

たくさん」というのは松下にとって最も根幹となる基本理念の1つで

あった。

 

聖なる経営とは「水道の水」である

 

聖なる経営とはなにか。本当の経営とはなにか。

そうだ、水道の水だ。通りすがりの人が水道の栓をひねって存分に水を

飲んだとしても、その無作法を咎(とが)めることはあっても、水その

ものを盗ったことは咎めない。なぜだろうか。それは価格があるにも

かかわらず、その量があまりに豊富だからである。

生産者の使命は、貧をなくすために、貴重なる生活物資を水道の水の

ごとく無尽蔵たらしめることである。どれほど貴重なものでも、量を

多くして無代に等しい価格をもって提供することにある。

「いわば水道の水のように、いい物を安くたくさんつくるということは、

いつの時代でも大事なことやで」

この考え方は、松下自身は一度もそう表現していないが、世間には

「水道哲学」という呼称で広まった。

さて、ときおり表面的な理解だけで水道哲学を批判する人が現れるから、

少し補足をしておこう。日本は物が豊かになったから、もうそのような

ことを考えなくてもいいのではないかという人がいる。

しかし「いい物」というのは、品質や性能がいいということだけでは

ない。材料は本当にいい物なのか。自然や人間の生存を脅かす材料では、

とてもいい物とはいえない。自然を壊すような、人を害するような材料を、

もし使っているとするならば、いくら性能がいいといっても、それは

「いい物」であるわけがない。

ひとつの製品が十分に役目を果たして捨てられるときまで、人間や自然に

迷惑をかけない、そういう製品がいい物である。環境問題が重要な課題で

あるこれからの時代には、いい物をつくることがますます必要とされて

いる。

「安く」ということも、まだまだ追求が必要であろう。

本当に安いのか、なお工夫の余地はないのか。

 

先進国と言われているところはほんの一握り

 

目を世界に転ずれば、先進国と言われているところはほんの一握りで

ある。8割、9割の人たちが、いまなお貧しい生活をしている。

わが国の状態だけを見て、もう十分に安いと考えたとすれば、それは

豊かな国の傲慢である。

また「たくさん」つくらなければということも、同じである。

物が不足して困っている国がいっぱいある。わが国だけを見てものを

考える時代ではない。世界全体、人類全体を見てものを考えなければ

ならない時代になってきている。

いい物を安くたくさんつくるのが生産者の使命だという考え方は、

これから21世紀に向けて、ますます必要になってくるだろう。

あるいは90年代に入ると、水道哲学を日本的経営であるとして、

短絡的に結びつけて批判した人びとがいた。

しかし、そもそもこの考え方は、世界中の経営者、産業人が、そして

人類が求め続けてきたものである。この考え方がなければ、今日の科学の

発展も技術の発展も、したがって人びとの幸福もなかったであろう。

というのも、考えてみれば「いい物」というコンセプトと、「安く」

というコンセプトと、「たくさん」というコンセプトは相矛盾する

考え方である。「いい物」をつくろうとすれば手間もかかりコストも

高くなる。それを「たくさん」つくるというのは、不可能に近い至難の

業(わざ)である。

その不可能を可能にすべく、科学者、技術者、産業人が必死の努力を

したからこそ、今日の発展をみることができた。

「いい物を安くたくさん」つくっていくということが、人間の使命で

あると、無意識のうちに人間は感じとってきたからこそ、技術革新が

次々と起こってきたのである。

そして松下はむしろ素直に、その真理を言葉に置き換えたのだ、と

考えてもいいと思う。


 

私見

 

この記事は、私が満60歳代のときのようですが、私自身はもっと若い

ときに「水道哲学」を知ることができました。

時代が変わり、このような考え方は一般的になっているようにも感じ

ます。しかし、いくら便利な世の中でも、「良い事」「大切な事」等々の

根源は、どのような時代でも継続されていくべきだ、と思います。

 

私自身の若い時の「水道哲学」の認識は、人間が必要としている

〝水分〟を、〝どこでも〟〝好きなだけ〟〝無料で〟水道の蛇口を

ひねることによって飲める。

そんな事業を目指したい!

〝社会に向けて〟〝大衆に向けて〟事業を推進していくことで実現

したい、と認識しておりました。

 

後進国では、〝水〟が不衛生で亡くなる方も多いという記事を拝見

致しますと、〝何と幸せなことか〟と思ってしまいます。

便利な世の中になりましたが、便利ばかりを追いかけている中で、

〝人〟としての大事なことが見過ごされないようにしたいものです。

 

次回からの、〝「道はひらく」松下幸之助〟をお楽しみにして下さい。

 

 

この続きは、次回に。

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