お問い合せ

「道をひらく」松下幸之助 ㊿+7

・恵まれている

 

人間というものはまことに勝手なもので、他人をうらやみ、そねむことが

あっても、自分がどんなに恵まれた境遇にあるか、ということには案外、

気のつかないことが多い。だからちょっとしたことにも、すぐに不平が

出るし不満を持つのだが、不平や不満の心から、よい知恵も才覚もわき

そうなはずがない。そんなことから、せっかく恵まれた自分の境遇も、

これを自覚しないままに、いつのまにか自分の手でこわしてしまい

がちである。

恵みにたいして感謝をし、その感謝の心で生き生きと働いたならば、

次々とよい知恵も生まれて、自他ともにどんなにしあわせな暮らしが

できることか、思えば愚かなことである。

だが恵みを知ることは、そう容易なことではない。古来の聖賢が、恵みを

知れ、と幾方言を費やしてきても、実感としてこれを受け取る人はどれ

だけあるのだろう。頭で理解はしていても、心に直接ひびかないので

ある。そこに人間の弱さがある。

おたがいに修業をしよう。自分は恵まれているということを、直接、

自分の心にひびかすために、日常の立居振舞に、今一度の反省を加えて

みよう。

 

● そねむ

 

うらやみ憎む。ねたむ。「そねぶ」とも。

 

● 才覚

 

1. すばやく頭を働かせて物事対応する能力。知恵の働き。機転

  「―のある人」

 

2. 工夫 (くふう) すること。また、すばやく頭を働かせて物事処理

    すること。「客の好みに合わせて料理を―する」

 

● 立居振舞

 

立ち振る舞いの意味は? 立ち振る舞いとは、人と接するときの身の

こなしや日常の動作、態度のことで、「立ち居振る舞い」とも言い

換えられます。 「立ち居振る舞い」の読み方は、「たちいふるまい」

です。2022/10/04

 

 

この続きは、次回に。

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