お問い合せ

続「道をひらく」松下幸之助 ㉗

● 知恵は無限

 

人間の知恵というものは、しぼればいくらでも出てくるものである。

もうこれでおしまい、もうこれでお手上げ、などというものではない。

〝なすべきことをなさねばならぬ〟という強い決意の上に立って、

正義感と勇気に燃えたならば、そこに思いもかけぬ知恵がわき出て、

思いもかけぬ道がひらけてくるのである。

もちろん、一人の人の知恵には、そこにおのずから限りがある。

しかし、わからぬことは他人に聞くという謙虚さがあったならば、

それらの他の知恵がわが知恵の上に限りなく加わって、やはり知恵は

無限にひろがってゆくと言えよう。

つまり、なすべきことをなすという勇気と、人の声に私心なく耳を

傾けるという謙虚さがあったならば、知恵はこんこんとわき出てくる

のである。

わが知恵の乏しさを嘆く前に、お互いにこの勇気と謙虚さを、あわせ

持っていたか、三省、四省してみたい。そして、もうこれでおしまい

などと、安易に言うのはやめにしたい。知恵は無限にわき、無限に集ま

るのである。

 

● なすべきことをなさねばならぬ

 

どんなことでも強い意志を持ってやれば必ず成就するということで、

やる気の大切さを説いたことば。 江戸時代後期、米沢藩主の上杉鷹山

が家臣に「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬ

なりけり」という歌を教訓として詠み与えたという話は有名。

また、それより以前に武田信玄が「為せば成る、為さねば成らぬ。

 

 

この続きは、次回に。

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