続「道をひらく」松下幸之助 ㊱
● 熱心であること
チャンスをつかめと言っても、ふつうの程度の努力をしていただけでは、
チャンスをチャンスとして見きわめられない。やはり熱心であること。
熱心な上に熱心であること。その熱心さがチャンスを見きわめる眼を
養っていくのである。
アイデアを生むと言っても、口先だけでは生まれない。これもやはり
熱心であること。寝てもさめても一事に没頭するほどの熱心さから、
思いもかけぬよき知恵が授かる。アイデアは、人間の熱意、熱心に対
する神の報奨である。
どんなに賢く生まれついたと言っても、熱心さがなかったら、その賢さ
が賢さとして、自他ともの恵みにはならない。賢いと言い愚かと言って
も、人間におけるそのちがいは、神の眼から見ればタカが知れている。
それよりも熱心であること。何事にも熱心であること。誰よりも熱心で
あること。熱心から生まれる賢さが、自他ともに真の幸せを生むので
ある。
熱心は、人間に与えられた大事な宝である。そして、この宝は誰にでも
与えられているのである。
● 報奨
善い行いなどに報い、奨励すること。
● 奨励
ある事柄を、よいこととして、それをするように人に強く勧めること。
「貯蓄を―する」
この続きは、次回に。