「健康を考える」-「お酒を飲んで顔が赤くなる」
2023年12月22日日経新聞「がん社会を診る-飲み会と食道がんリスク」の
記事が掲載されております。
私自身は、姉を32年前に乳がんで亡くしており、叔父も喉頭がんで亡くなって
おります。また、友達は、高校1年生の時にくも膜下出血で亡くなっております。
なお、私の家系は、脳卒中で亡くなる方が多いように思います。
□ 秋田県と脳卒中
秋田県は過去から現在に至るまで、脳卒中の 発症が特に多く、死亡率も高い
「脳卒中県」と して全国的にも広く知られている。
□ 脳卒中ワーストの県はどこですか?
なかでも岩手県は70.1人でワーストとなっており、全国平均の49.5人に比べ
際立って高い。脳卒中の大きな原因は高血圧だ。高血圧が続くと、動脈硬化が
起こりやすくなり、血管が破れたり詰まったりしやすくなる。
岩手県で脳卒中の死亡率が高い要因として、県栄養士会では塩分を多く摂取する
食習慣を指摘している。2015/06/17
□ 脳卒中の一番の原因は何ですか?
脳卒中を引き起こす主な原因は動脈硬化です
□ 脳卒中は何人に一人ですか?
脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れて出血する脳出血、くも膜下出血の
総称である「脳卒中」。なんと年間11万人が死亡し、患者数は120万人にのぼる
ともいわれ、計算上では日本人の100人に1人が脳卒中になっているという。
2018/02/28
□ 物をよく落とすのは脳梗塞の前兆ですか?
脳梗塞の発作の前兆として、半身が痺れる、手に持っているものをするっと
落としてしまう、言葉が出てこない、ろれつが回らないなどの症状があります。
脳卒中の初期症状が軽度である場合は、たいしたことがないと放置しやすい
傾向があります。
□ 脳卒中予防
脳卒中は後遺症のリスクが高い病気であり、脳卒中にならないよう予防に努める
ことが大切です。
脳卒中は主に高血圧によって引き起こされるため、高血圧の原因となる塩分の高い
食事や肥満を改善し、脳卒中のリスクを高める喫煙、大量の飲酒は控えるように
しましょう。
さらに、野菜、果物、大豆製品などの脳卒中を予防する食品を積極的に取り、
ウォーキングなどの有酸素運動を続けることも効果的です。
また定期的に健診を受け、高血圧などの脳卒中のリスクとなる病気を早期に発見し、
治療や保健指導を受けることも大切です。
私が小さい時は、小学生時から1日の塩分摂取量が決まっていました。
今に思えば、「秋田県の脳卒中予防」であると思います。
それでは、記事を一部抜粋にてご紹介致します。
飲み会と食道がんリスク
中川恵一
2023年12月20日 14:30 [会員限定記事]
新型コロナウイルスが感染法上の5類に移行してから、初めての年末を迎えています。
久しぶりに仲間と鍋をつつきながら、お酒を酌み交わした方も多いことと思います。
しかし、アルコールや熱い食べ物は食道がんを増やしますので、注意が必要です。
食道がんは、酒飲みの私も心配しているがんの一つです。国内では年間約2万3千人が
罹患(りかん)し、1万2千人ほどが命を落とします。がん全体の5年生存率は7割近く
まで改善し…
詳細は、日経電信版でご覧下さい。
● お酒は食道がんの他、のどや口のがん、大腸がん、肝臓がん、乳がんなども
増やします。
● とくに注意が必要なのが、お酒を飲むと顔が赤くなる人(フラッシャー)です。
このタイプが飲み続けると、食道がんのリスクが非常に高くなります。
以下の内容は、省略致します。
□ フラッシング反応(ふらっしんぐはんのう)
ビールコップ1杯程度の少量の飲酒で起きる、顔面紅潮・吐き気・動悸・眠気・
頭痛などの反応をフラッシング反応といい、この体質のひとをフラッシャーと
呼びます。
□ フラッシャーはがんになるリスクが高い?
フラッシング反応のある人では、飲酒によるがん罹患のリスクが高い今回の研究の
追跡期間中に、8486人ががんに罹患し、そのうち4386人が飲酒に関連するがん
(口腔がん・咽喉頭がん・食道がん・胃がん・大腸がん・肝臓がん・乳がん)に
罹患しました。
□ フラッシング現象とアルコールの関係は?
フラッシャーとは、少量の飲酒でも顔が赤くなり、眠気、動悸、吐き気、頭痛など
不快なフラッシング反応が起こりやすい体質の人のことです。これは、アルコールを
分解する2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きが弱い遺伝子型の人に多く
みられます。2020/12/29
□ エタノールが分解されてできるアセトアルデヒドには強い発がん性があります。
このアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いタイプが日本人の半分弱を
占めます。なお、フラッシャーや全く飲めない下戸は、中国の東北地方、朝鮮
半島、日本列島くらいにしかみられません。
□ 例えば、フラッシャーが毎日3合の羅本種を飲み続けると、食道がんの発症リスクは
全く飲まない人の50倍にもなります。
□ 食道がんや喉のがんは、赤くなるかどうかで、飲酒による発癌リスクが左右されます。
しかし、同じ飲酒がリスクを高める大腸がんや肝臓がんでは、赤くなるかどうかは
あまり重要ではないとされています。
□ たばこの煙にもアセトアルデヒドが含まれるため、「飲酒+喫煙」は最悪の組み合わせ
と言えます。
□ アセトアルデヒドは毒ですか?
アセトアルデヒドは実験動物に発癌性があり、ヒトの食道癌の原因にもなります。
この物質はDNAやたんぱく質と結合しやすい性質を持ち、発癌など種々のアルコール性
臓器障害の発生に関与すると考えられています。
□ アセトアルデヒドは発がん性がありますか?
アルコールやアルコールが体内で分解されてできるアセトアルデヒドは発がん性があり、
この分解酵素の働きが弱い人が多量飲酒すると口腔、咽頭、食道の発がんリスクが高まり
ます。日本人ではアセトアルデヒドの分解酵素が欠損している方が約10%、弱い方が30%強
と報告されています1)。
□ アルデヒドは有害ですか?
アルデヒドは強い毒性があり、飲酒で顔が赤くなったり、動悸や頭痛を起こすのはこの
毒性によります。さらに発がん作用もあります。有害なアルデヒドは肝臓のアルデヒド
脱水素酵素によって無害な酢酸(お酢の成分)に分解されますが、酒を飲み過ぎると
アルデヒドが分解されないで血中に残り、悪酔いやがんの原因となります。2019/08/01
□ アセトアルデヒドの生体影響は?
アセトアルデヒドは毒性が強い物質で、吐き気や頭痛を引き起こします。多量の飲酒によって
悪酔いや二日酔いが起こるのはアセトアルデヒドが体内に長時間、留まっているためです。
また、アルコール分解にはMEOS(ミクロソームエタノール酸化酵素)も加わります。
MEOSはアルコール量が増えると活性化する特性があります。
□ 熱い食べ物や濃い酒も食道粘膜にダメージを与えるため、食道がんを増やします。
お酒はほどほどにして、歯磨きを忘れないことが大切です。
(東京大学特任教授)
12月に入り、忘年会に数回、出席しております。そう言えば、「顔が赤い方」も参加者に数名、
おりました。
私は、「顔が赤い方」ではないのですが、飲み過ぎには充分に気をつけたいと思います。
何事も、適度適量が良いのではないでしょうか。
2023年12月26日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美