「健康を考える」-「大豆製品や魚食べて長寿」
2024年2月28日日経新聞夕刊に「がん社会を診る」の記事が掲載されて
おりました。
前回の「代表のブログ」-「健康を考える-たんぱく質」の続きとなります。
大変、参考になりますので、ご覧いただければ幸いです。
なお、詳細は、日経電子版でご覧下さい。
大豆製品や魚食べて長寿
中川恵一
2024年2月28日 14:30 [会員限定記事]
前回書いたとおり、66歳以上の老齢者でたんぱく質の摂取量が多い人ほど、
がん死亡率が低く、長生きします。
米国の女性看護師(登録時に30~55歳)を対象とした最近の研究では、中年
期のたんぱく質摂取が多いほど健康寿命が延びることも分かりました。
とくに、植物性のたんぱく質の摂取が重要です。
さまざまな食材が寿命に与える影響を科学的に評価すると、長寿のために最も
効果的な食材は豆類で、全粒穀物、ナッツ類と…
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□ 長寿のために効果的な食材は豆類、全粒穀物、ナッツと続きます。
やはり植物性たんぱく質の重要性が分かります。
□ 豆腐や納豆など大豆製品に含まれる「イソフラボン」には、乳がんや
前立腺がんを防ぐ効果があります。
□ イソフラボンの摂取が多い人にこれらのがんが少ない理由の一つが、
1人当たりの大豆消費量が世界一である点なのかもしれません。
□ 動物性たんぱく質でも、魚はがん予防と長寿にプラスとなります。
とくにサバやイワシなどの青魚、マグロやサケなどには、エイコサ
ペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった「オメガ
3不飽和脂肪酸」が多く含まれます。
□ この脂肪酸は血液をサラサラにする効果があり、日本人に心筋梗塞が
少ない理由の一つと言われています。
□ オメガ3不飽和脂肪酸は乳がんに対する予防効果も示されています。
しかし、日本人の魚の摂取量は1987年をピークに減少が続いており、
心配です。
□ 「健康的な加齢」には十分にたんぱく質を摂ることが大切ですが、
日本人のたんぱく質摂取量はここ20年くらいの間、減少傾向にあり
ます。今の摂取量は終戦直後と大差ありません。
□ 飽食の時代と言われますが、日本人の摂取カロリー自体も終戦後より
減少しています。しかし、がん全体を2割、膵臓(すいぞう)がんを2倍に
増やす要因である糖尿病は増え続けています。
□ この背景には脂肪、とくに動物性脂肪の摂りすぎがあると思います。
日本人の脂肪摂取量私が生まれた昭和30年代から急激に増え始め、
1955年の3倍近くに増えています。なかでも動物性脂肪の増加が著しく、
5倍近くまで増えてしまいました。
□ 食の欧米化が先行した沖縄ではかつて、男女とも平均寿命日本一を誇り
ましたが、男性は43位、女性も16位まで順位を下げています。
□ 塩分を控えめにした大豆たっぷりの和食がベストと言えるでしょう。
(東京大学特任教授)
< 参考資料 >
□ 大豆製品
○ 大豆製品の魅力
● きなこ
● 呉汁
※ 鹿児島県
すりつぶした大豆を溶かした、栄養満点のみそ汁
※ 呉汁
大豆を水に浸し、すりつぶしたものを「呉(ご)」といい、呉をみそ汁に
入れたものを「呉汁」という。秋に収穫された大豆が出回る秋から冬が旬
である。大豆といろいろな野菜の入った呉汁は、栄養価の高い料理である。
また、体が温まることからも、冬場の郷土料理として日本各地で昔から親し
まれている。
● 豆乳
● 豆腐
● 湯葉
● おから(雪花菜、卯の花)
● 高野豆腐(凍り豆腐)
● 油揚げ
□ 全粒穀物食品
全粒穀物食品には、アマランサス、全粒大麦、玄米や古代米、ソバ
(カーシャ)、キビ、えん麦、ポップコーン、キヌア、全粒ライ麦、
ライ小麦、全粒小麦(小麦粒)に様々な種の小麦(普通小麦、エン
マー小麦、スペルト小麦、およびコーラサン小麦)を混ぜたものを
含むことがある(69)。
□ ナッツの種類
○ ランキング結果
1位.カシューナッツ
2位.ピスタチオ
3位.マカダミアナッツ
4位.アーモンド
5位.くるみ
6位.落花生(ピーナッツ)
7位.ヘーゼルナッツ
8位.かぼちゃの種( パンプキンシード)
9位.ピーカンナッツ
10位.ジャイアントコーン
□ 植物性たんぱくとは何ですか?
「植物性たん白」とは、食品業界では、大豆や小麦を原料として、それに
含まれる「たん白質」を独自の製法により抽出し、主として、食品の素材
として使われるもののことです。現在製品として大豆系は粉末、粒状、
繊維状、小麦系は粉末、粒状・ペースト状(冷凍品)があります。
□ 動物系タンパク質とは何ですか?
動物性タンパク質とは、動物性の食品に含まれるタンパク質のことです。
肉や魚、卵や乳製品などに多く含まれています。
動物性タンパク質は必須アミノ酸が多く含まれていることが特徴です。
現在の栄養学で、動物性タンパク質が推奨されるのは、必須アミノ酸を
たくさん含んでいるからです。
□ イソフラボン
大豆胚芽に多く含まれるポリフェノールの仲間です。化学構造が女性
ホルモンと似ており、体内で女性ホルモンと似た作用をすることから、
ファイトエストロゲン(植物性エストロゲン)といわれています。
□ オメガ3(n-3)系脂肪酸とは何ですか?A
代表的なものとしてα-リノレン酸、EPAやDHAがあります。
α-リノレン酸は、植物油の大豆油やなたね油に含まれるほか、
特にエゴマ油やアマニ油に多く含まれます。EPAやDHAは、
サバやイワシなどの青魚に多く含まれます。
血液の流れをスムーズにしたり脳や神経の機能維持に必要です。
多価不飽和脂肪酸のうち、炭素鎖のメチル末端から数えて3番目の
炭素に最初の2重結合がある脂肪酸で、非常に酸化しやすい特徴が
あります。
このような知識は、大変、参考になります。
やはり、これからも「バランスの取れた食事」を心がけたいと
思います。
2024年3月2日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美