お問い合せ

「アメリカはなぜ日本より豊かなのか?」④

第2章 先端分野はアメリカが独占、日本の産業は古いまま

 

1. 先端企業がアメリカをリードする

 

□ 時価総額ランキング100以内にアメリカ61社、日本1社

 

□ マイクロソフトとアップルだけで、東証プライム時価総額とほぼ等しい

 

□ 新しいハイテク産業:製薬

 

□ アメリカの主要産業は、自動車でも製鉄でもない

 

□ 日本は古い産業構造から脱却できない

 

□ 教育→専門家の創造的活動→高い報酬

 

2. アメリカはなぜ先端分野ほど強いのか?

 

□ 先端的な分野ほど、アメリカは強い

 

□ 最先端分野の強さを支えるのは、大学の水準の高さ

 

□ 人口当たりでは、日本は欧米の10分の1以下

 

□ 日本企業は、専門的知識を要求していない

 

□ 研究・教育活動に十分な資源が充てられていない

 

3. AIブームで引き起こされた半導体ブーム

 

□ 半導体ブームと株価

 

□ 半導体ブームというより、AIブーム

 

□ 半導体には、さまざまな機能のものがある

 

□ エヌビディアが引き起こしたAI向け半導体ブーム

 

□ 安全保障上の観点から、半導体への需要が高まった

 

4. 日本の半導体産業は、世界から取り残されている

 

□ 日本でも、半導体関連企業が日経平均株価を牽引

 

□ 日本の半導体産業は、全体としては立ち後れ

 

□ TSMCの熊本工場は日本の半導体産業を変えるか

 

□ ロジック半導体では、日本は昔から弱かった

 

□ 半導体製造装置や原材料で日本が強いのはなぜか?

 

5. 半導体復活に必要なのは、補助金ではなく、技術・投資・人材

 

□ ラピダスに9200億円の支援

 

□ 国策会社:失敗の歴史

 

□ 補助金漬けになって弱体化した

 

□ 必要なのは、「技術と投資と人材」

 

6. デジタル化を進めるほどに、赤字が増える日本

 

□ 「通信・コンピュータ・情報サービス」で日本は世界最大の赤字国

 

□ クラウドはアメリカに頼るしかない

 

□ 天然資源の乏しさを技術で補うべきなのに

 

□ 外国人旅行者の増加は円安のため

 

7. 脱印鑑は実現せず、事務負担は増えるばかり

 

□ その昔、「脱印鑑」と言われたことがあった

 

□ アナログだけより複雑化し、悪化している

 

□ マイナンバーカードで事務負担が増えた

 

□ 日本の警察はメールとネットに手も足も出せない

 

□ 日本のデジタル化とは、デジタル庁を作ることか?

 

8. 日本はGDPでドイツに抜かれた

 

□ 日本はドイツに抜かれたが、株価は上昇した

 

□ 日本の一人当たりGDPは1990年の中頃から成長していない

 

□ 円安の影響が大きい

 

□ 2022年から急激な円安

 

□ 円安が企業利益を増やした

 

□ 構造的変化と一時的な変化の違い

 

9. 「バブル後最高値更新」の中身の、なんと空虚でみすぼらしいことか

 

□ アメリカは14倍、日本は1倍

 

□ 日本経済は成長はしないのに、最近の上昇率は高い

 

□ アメリカで新しい産業が誕生。日本は労働力の安売り

 

□ 日本はやっと1990年、アメリカより35年遅れ

 

□ 「日本経済の新しい時代の始まり」と言えるか?

 

□ 円安による利益増

 

□ 為替差益期待が原因?

 

□ 株価が下がる要因はあるが、上がる要因はない

 

◆ 第2章 まとめ

 

1. アメリカでは、AIを利用した新しい経済活動が拡大している。それに対して、日本の

     産業構造は古いままだ。

 

2. アメリカは、IT産業やAIなど、先端分野になるほど強くなる。これを支えるのは、

     大学の水準の高さだ。これに対して日本は、専門教育をOJTに頼る仕組みから脱却

     していない。高度人材育成という最も重要な分野において、日本は間違った資源配

     分を行なっている。

 

3. 世界的な半導体ブームが起きている。重要なのは、半導体そのものでなく、AIの

     目覚ましい発展と、それが引き起こす変化だ。

 

4. 世界では半導体関連企業の株価上昇が著しい。日本は残念ながら、その流れから取り

     残されている。日本が強いのは、半導体製造装置や原材料であり、半導体の製造は

     振るわない。この状況は、政府がいくら補助金を出しても、変わるものではない。

 

5. 半導体事業支援のため、巨額の補助金が支出されている。しかし、これによって日本の

     半導体産業が復活するのかどうか、きわめて疑問だ。必要なのは補助ではない。

      経済学の教科書に書いてあるとおり、「技術・投資・人材」だ。

 

6. 日本のサービス収支のうちの「デジタル赤字」は、5兆円を超え、原油輸入額の半分

     程度になる。「通信・コンピュータ・情報サービス」で、日本は世界最大の赤字国。

      日本がデジタル化を進めれば、この赤字が増える。

 

7. デジタル庁が発足して2年以上経つが、脱印鑑は、進んでいない。それどころか、

     アナログとデジタルの手段が入り乱れて、事態は悪化している。デジタル庁の存在

     意義を見直すべきではないか?

 

8. 日本がGDPでドイツに抜かれるのも、株価が急騰したのも、円安という共通の要因

     によるものだ。ただし、前者は長期的なトレンドであるのに対して、後者は円高に

     なれば崩壊する一時的な現象だ。

 

9. 日経平均株価が、バブル後の最高値を更新した。日本は「失われた30年」からやっと

     抜けだし、そして、新しい目標に向かってスタートを切ったと言われる。しかし、

     新しい産業で発展しているアメリカと比較してみると、とてもそうは言えない。


 

この続きは、次回に。

 

2025年4月18日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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