「アメリカはなぜ日本より豊かなのか?」⑦
第5章 アメリカの強さの源泉は「異質」の容認
1. コロナワクチン開発で示されたアメリカの強さ
□ 驚くべき速さで開発されたコロナワクチン
□ mRNAという新しい技術
□ 研究者はノーベル医学賞を受賞
□ 可能性を与える国、アメリカ
□ ナチの非寛容主義のコストは著しく高かった
□ アメリカ企業の多くは、移民や移民2世が作った
2. エヌビディアは典型的アメリカ企業
□ 外国生まれが作った企業がなぜ重要か
□ オープンな社会だから、ファブレスができる
□ ウィンブルドン現象の本質は「場所貸し」
□ 研究活動への「場所貸し」で強くなったアメリカ
3. 古代ローマから続く最強国の条件は、「寛容」
□ アメリカが世界を制覇できた理由
□ 貧しい中国系移民の大成功物語
□ ローマのイダさは寛容政策による属州統治の成功
□ アメリカは古代ローマの「寛容政策」を受け継いだ
□ 人種問題と男女平等問題
♦︎ 第5章 まとめ
1. アメリカは他国からの移民を受け入れ、有能な人々が活躍する機会を与えてきた。
それらの人々が新しい技術を開発し、新しい経済活動を興してきた。
それがアメリカを発展させた。
2. アメリカの半導体企業エヌビディアは、つぎの2つの点で、典型的なアメリカ企業だ。
第一に、設立者がアメリカ生まれでないこと。第二に、工場を持たないファブレス
企業であること。
3. 覇権国の条件は「寛容」だ。これは、古代ローマの時代からのことで、アメリカ
建国の父たちは、それを意識的に引き継いだ。
アメリカは、移民問題だけでなく、国内での人種問題や男女平等問題でも、大きな
変革を実現しつつある。
< 参考資料 >
□ mRNAワクチン
mRNAワクチンは、ウイルスのタンパク質をつくるもとになる遺伝情報(設計図)の
一部を使ったワクチンだよ。現在使われている新型コロナウイルスのmRNAワクチンは、
新型コロナウイルスのSタンパク質の設計図となるmRNAを、脂質の膜で包んだものなんだ。
ワクチンを接種すると、このmRNAが人間の細胞に取り込まれるよ。
□ 五賢帝
紀元96年に即位したネルウァ帝に始まり、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・
ピウス、マルクス・アウレリウスの5人の「賢帝」が続いた約100年間は、ローマ
帝国の最盛期とされ、イギリスの歴史家ギボンにより「人類が最も幸福だった時代」と
呼ばれる。
□ 安寧
無事でやすらかなこと。特に、世の中が穏やかで安定していること。「社会の—を乱す」
この続きは、次回に。
2025年4月24日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美