「小さいことにくよくよするな! 」④
6. 死んでも「やるべきこと」はなくならない
(中略)
しかし、あなたがどんな肩書きをもち、どんな仕事をしていようと、自分の幸せと愛す
る人たちの幸せがなにより重要だということを忘れてはいけない。
すべてをやりとげることにこだわるかぎり、心の平和は訪れない。ほとんどのことは
待ってもらえる。仕事のうえで本物の「緊急事態」と呼べるものなんて、めったに
起きないのだから。
人生の目的は、すべてをやりとげることではなく、その一歩ずつの過程を楽しみながら、
愛情のある暮らしを送ることにある。そう自分に言いきかせることで、私は「やるべき
こと」のリストを片っぱしからやっつけたいという欲求をコントロールできるようになった。
あなたが死んでも、やりかけの仕事は残ることを忘れないように。もう1つ言わせても
らえば、それはだけかがやってくれるのだ。
できないことにくよくよ悩んで、貴重な時間をむだにするのはもうやめよう。
7. 人の話は最後まで聞こう
人の話をさえぎったり、かわりにしゃべったりする癖が自分にあることに気づいたのは、
ほんの数年前のことだ。それからまもなく、これがどんなにひどい癖か身にしみてわか
った。人間関係にヒビが入るだけでなく、同時に2つのことを考えるというのは、
ものすごくエネルギーがいるのだ。
チョット考えてみよう。人の話をせかしたり、さえぎったり、後を引き取ったりする
場合、自分の考えだけでなく相手の考えも追わなくてはならない。この癖(忙しい人た
ちに共通する癖)があると、自分も相手も口と頭の回転が速くなる。
その結果、お互いに緊張でイライラして不愉快になる。はっきり言って疲れる。
それが原因で口論になったりもする。人の話を聞いていない人には、だれもが腹をたて
るからだ。その人のかわりにしゃべったりするのは、相手の話を聞いていない証拠だ。
人の話をさえぎる自分の癖に気づくようになれば、しめたもの。慣れすぎてしまった
ための単純な癖なのだから、必ず直せる。その癖があることを忘れないようにすれば
いい。
できれば会話を始める前に「じっとがまんするんだぞ」と自分に言いきかせる。
相手が話し終えてから口を開け、と自分に命じる。そんな簡単なことで人間関係が
どれほど変わるか、一度ためしてみれば、きっと驚くにちがいない。
話をちゃんと聞いてもらったことで、相手はふっと緊張をほどく。相手をさえぎるを
やめれば、こっちも気持ちが楽になる。動悸も脈拍もゆったりしたリズムになり、なに
より会話が楽しめるようになる。
8. 人のためになにかする—-こっそりと
人になにかしてあげることはよくあるが、その行為を認めてほしくて、ついだれかに
話してしまいがち。人に親切にしたり気前よくすると、自分が思いやりのある善人に
なったように感じる。
親切な行為は実にすばらしいことだが、なにか人にしてあげたことを黙っているほうが
もっと感動ものだ。人になにかをしてあげる、それだけですでに気分がいい。
自分があげたやさしい思いやりを自分一人の秘密にしておけば、幸せ気分が一段と高まる。
お返しを求めてなにかをするのではなく、ただ与えることに徹する。なにか親切なこと
をして黙っているのは、これとまったく同じ。自分自身がほのぼのした気分になる、
これがそのご褒美だ。
今度だれかのためにいいことをするときは、自分だけの秘密にして、心ゆくまでほのぼ
のしよう。
この続きは、次回に。
2025年5月7日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美