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「小さいことにくよくよするな! 」㊲

78. 気を抜くことも大切だ

 

この本で取り上げた項目はどれも、前よりリラックスして穏やかで愛情深い人になる

ための戦略だ。

なかでもとくに重要なのは、自分がしていることにとらわれすぎずにリラックス感を

持続させる、という大目標を忘れないことだ。いろんな戦略をためしたり心にとめて

おくにしても、すべてを完璧にやろうなどと思ってはいけない。

たまには気を抜こう! 失敗はつきものだ。くよくよしたり欲求不満やストレスだらけに

なったりという以前の癖に染まっても、それに慣れること。慣れれば、なんでもなくなる。

人生はプロセス—-次から次に続いていく。失敗しても、そこから始めればいい。

もっと穏やかになろうとする人たちには共通の過ちがある。その1つは、小さな退歩を

大げさにとらえて欲求不満におちいることだ。

その退歩を進歩のチャンス、自分を成長させるチャンスとみなせばいい。

「しまった、またやっちゃった。まあいいさ、次はもっとちがう態度をとってみよう」

と自分に言いきかせることだ。それを続けるうちに自分の反応に劇的な変化が生まれる

が、それは一気に生じるものではない。

この戦略をピタリと表現した本のタイトルを聞いたことがある。

『私はOKじゃない、あなたもOKじゃない、それでOK』

骨休めをしよう。100%できる人なんていやしない。大切なのは、自分がやれるだけの

ことをやっていて、それが正しい方向に動いているということなのだ。客観性を失わず、

自分にやさしくすることを忘れなければ、たとえ失敗ばかりしでかすとしても、たいて

いは幸せな人生を送れるだろう。

 

79. 人のせいにするのをやめる

 

何かが期待どおりにいかなかったとき、私たちはつい「だれかのせいだ」と思いがち。

捜しものが見つからないのは、だれかがどこかにおいたせい。車の調子が悪いのは、

修理屋がさぼったからじゃないか。家計費が赤字なのは、カミサンが浪費したから。

家が散らかりほうだいなのは、みんなが片づけないから。企画が遅れているのは、

同僚がきちんと仕事していないから。例をあげればきりがない。

こういった「人のせいにする」症候群は、いまの社会にまんえんしている。個人的な

レベルで見れば、自分の行動や悩みや幸せのすべては自分の責任ではなく人のせい、

という考え方の浸透だ。社会的なレベルで見れば、ばかげた訴訟や犯罪者さえのけぞる

ような滑稽な言い訳のられつ。人のせいにする習慣に染まると、自分の怒りや欲求不満、

落ち込みやストレス、不幸せはすべて人のせいだと思い込むようになる。

個人の幸せということでいえば、人のせいにしながら幸せになれるはずがない。

たしかに私たちの悩みには人や環境によって生じるものもあるが、それを乗り越えて

幸せをつかまなければならないのは自分だ。環境は人をつくらない、人を表現する

だけだ。

 

1つの実験として、人のせいにするのをやめたらどうなるか見てみよう。

つまり、自分の幸せや人や環境にたいする反応に自分で責任をもつ、ということだ。

家が散らかっているときはだれかのせいにせず自分で掃除する! 家計費が赤字になった

ときは、自分がどこかで節約できるか考える。いちばん大切なのは、自分が不幸せな

とき、自分を幸せにするのは自分しかいない、と言いきかせることだ。

人のせいにするのは心身ともに莫大なエネルギーを使う。「あんたのせいでこうなった」

式の思考はストレスと病気に直結する。人のせいにすれば、自分の幸不幸は自分でコン

トロールできず、人の行動に左右されるものとなり、生きることに無気力になる。

人のせいにするのをやめれば、自分のパワーを取りもどすことができる。選択者として

の自分が見えてくる。

カリカリしているときも自分がその感情の創り主だと気づく。同時に、もっと前向きな

感情の創り主になれることにも気づく。人のせいにするのをやめれば、人生はもっと

楽しくなり、はるかに気楽になる。

実験して、なにが起きるか見てみよう。


 

この続きは、次回に。

 

2025年8月3日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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