お問い合せ

「小さいことにくよくよするな! 」㊷

88. 自分の内なる声を聞く

 

人には人生をナビゲートする確実な羅針盤が備わっている。それは感情で成りたってい

て、軌道をはずれて不幸せな道に迷い込んでいないかどうか教えてくれる。感情は心の

中の天気を示すバロメーターの役を果たす。

 

なにかの考えにとらわれたり悩みごとにとりつかれていないとき、感情はおおむねポジ

テイブにはたらく。自分にとっていいほうに考えている証拠だ。そのときは意識して

調節する必要はない。

なにか不愉快なこと—怒りや憤り、落ち込み、ストレスや欲求不満—-を経験している

とき、感情の警報装置は赤信号を点滅させる。軌道をはずれたことを知らせ、考え方に

風を入れて客観的な視野にたてと告げるのだ。このときは意識して調整しなければなら

ない。ネガティブな感情を、車のダッシュボードについている警告ランプと同じだと

思えばいい。それが点滅したら、心をゆるめるときだ。

 

一般に思われているのとは逆に、ネガティブな感情をじっくり分析する必要はない。

そんな感情を分析すれば、もっと増殖するだけだ。

こんど、いやな気分におちいったときは「分析癖」にとりつかれるかわりに「なぜこん

なふうに感じるんだろう」といぶかり、自分の感情をガイドにして平静な気分にもどれ

ないかどうかためしてみよう。ネガティブな感情など存在しないというふりをせず、

悲しみや怒りやストレスを感じているのは「小さいことにくよくよしている」からだ

–人生をあまりにきまじめに考えすぎているからだ、と自分に言いきかせよう。腕まく

りして人生に立ち向かうかわりに一歩さがってリラックスしよう。

人生は、あなたがそうしないかぎりは非常事態にはならないことを忘れないように。

 

89. 人が投げたボールをすべてキャッチすることはない

 

親友のベンジャミン・シールドがこれを私に教えてくれた。

私たちの葛藤は、人の問題におせっかいにも口出しすることから起きる場合が多い。

だれかに悩みごとを打ち明けられると、それを受けとめなければと考えて応じてしまう。

 

(中略)

 

投げられたボールをキャッチすることはない。それを覚えておくとストレスがかなり

解消される。友達が電話してきても、彼なり彼女なりが誘い込もうとするキャッチボー

ルに参加しなくてもいいのだ。こっちが餌にかからなければ、相手はだれかべつの人を

釣ろうとするだろう。

だからといって、けっしてボールをキャッチするなというのではない。そうしたい

ときだけすればいいという意味だ。友達のことを気にかけないということでもないし、

冷たいひねくれ者になるわけでもない。もっと穏やかな人生を歩むためには自分自身の

限界を知ることが必要だし、自分が参加することには責任をもつことも必要だ。

 

私たちは毎日のように無数のボールを投げられている—職場で、家庭で、子供、友人、

隣人、販売員、見知らぬ人たちからさえも。投げられたボールをぜんぶキャッチして

いたら私は気がへんになるし、あなただってそうだと思う。

鍵は、投げられたボールをいつキャッチすればいいか自分でコントロールすることに

なる。そうすれば犠牲者になった気分を味わわずにすむ。

目がまわるほど忙しいとき電話に出て話すことも、ボールをキャッチする1つのかたちだ。

電話に出れば、その時間も気力もエネルギーもないのにいやおうなく参加させられる。

電話に出なければ、自分の心の平和にたいして責任をもつことになる。

これは侮辱されたり批判されたりしたときにも応用できる。だれかに批判されたとき、

そのボールをキャッチして傷つくこともできるし、それを受けとめずに1日をすっきり

送ることもできる。

 


 

この続きは、次回に。

 

2025年8月15日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美 

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