「小さいことにくよくよするな! 」㊸
90. この一幕もまた過ぎていく
これは私自身の生き方に取り入れている戦略。いいことと悪いこと、喜びと悲しみ、
成功と失敗、名声と侮辱——すべて現れては消えていくことをつねに思い出すための
作戦だ。ものごとにはすべて始まりと終わりがある、それがあるべき姿だ。
あなたが経験したすべてのことは終わっている。どの考えも始まっては終わった。
いままでに味わったどんな感情や気分も永遠に持続することはなかった。
これまで幸せ、悲しみ、嫉妬、落ち込み、怒り、恋、恥、誇りといった人がもつあら
ゆる感情を味わった。そういった感情はどこにいったのだろう? その答えはだれも知ら
ない。私たちが知っているのは、すべてはやがて無に帰るということだけだ。
この心理を歓迎することによって自分を解放する冒険の旅が始まる。
私たちの失望は、2つの道を通ってやってくる。
楽しんでいるとき、私たちはそれが永遠に続いてくれたらと願う。でも、そうはなら
ない。または苦痛を感じているとき、それが消えてくれたらと願う——たったいま。
だが、そうはならない。この自然な流れに逆らってもがいていた結果、不幸な思いが
生まれる。
人生とは次々に変わっていくものだと気づくことが、この訓練にとても役だつ。
いまこの瞬間のあとに、またいまの瞬間がやってくる。なにか楽しいことをしている
とき、幸せな気分を味わいつつも、やがてはべつのなにかが取ってかわることを自覚する。
それを知っていれば、その瞬間が変わる時も心穏やかでいられる。苦痛や不快を味わっ
ているときは、やがては過ぎていくと悟っておく。そのことを心にとめておけば、逆境
にあっても落ち着いていられる。
いつも簡単にできるとはかぎらないが、たいていうまくいく。
91. 人生を愛で満たそう
愛に満たされた人生を望まない人にはお目にかかったことがない。そんな生き方をする
には、まず自分から愛する努力をしなければならない。相手が愛してくれるのを待つの
ではなく、自分が愛の源になることだ。みんながまねするように、まず私たちが自分の
心にある愛の井戸をくみ上げる必要がある。
「2つの点を結ぶ最短距離は直線である」と言うが、これは愛に満たされた人生につい
てもあてはまる。愛に満たされた人生の開始点は、自分が愛の源になろうと願って実践
すること。まず自分のほうから親切や愛情深い態度を示せば、目標にどんどん近づくこ
とができる。
自分の人生には愛が足りない、この世界には愛が足りないと感じたとき、1つの実験を
してみよう。世界やほかの人たちのことはしばらく忘れて、自分の心の中をのぞいてみる。
自分はより大きな愛の源になれるのか? 自分や他人を慈しむような考え方ができるのか?
その慈しむ考え方を外の世界に—–愛するにはあたらないと思うような人たちにさえも
—-拡大できるだろう?
より大きな愛の可能性に心を開き、自分が愛の源になる(愛の剥奪者ではなく)ことに
よって、あなたが望んでいる愛に満たされた人生に向けて大きな一歩を踏み出すことが
できる。同時に、驚くべき真実も発見するだろう。愛は与えるほど満たされていくと
いうことだ。
愛情深い人になろうとするのは自分でコントロールできることだ。そう意識して、愛を
もらうより与えるほうを優先させるうちに、いつのまにか人生がアイデ満たされている
ことに気づくだろう。
まもなく、あなたは世界最大の秘密の1つを発見する—愛の報酬は愛だということを。
この続きは、次回に。
2025年8月17日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美