書籍「Effectuation エフェクチュエーション」 ㉖
✔︎ エフェクチュエーションに基づく「問いかけ(asking)」
これに対して、エフェクチュエーションの場合には、アイデアは起業家自身の「手持ち
の手段(資源)」と「許容可能な損失」に基づいて生み出された「何ができるか」であり、
また後に繰り返し再定義される可能性に開かれた、暫定的なものにすぎません。
そして起業家のパートナー候補に対するアプローチでは、どのような形であれば相手と
共に未来の創っていくことができるか、をオープンに問いかける(asking)事が重視され
ます。
たとえば、必要な資源(資金や技術)の提供を期待してパートナー候補にアプローチを
する場合にも、相手のコミットメントが可能かを問いかけて、その結果もし期待した
資源が得られなかったとしても、必ずしも失敗とは考えません。なぜならば、同じ相手
に対して、どのようなコミットメントであれば可能かを繰り返し問いかけて、もし期待
した資源とは違っても別のコミットメントを獲得できるならば、やはりパーチナーシップ
の構築と見なす事ができるためです。
また場合によっては、パートナー候補のほうが、起業家自身は当たり前に思っていた
手持ちの手段(たとえば、ユニークなスキルや、アイデアを形にするために必要な時間
や体力など)に大きな価値を見出して、自らが実現したいアイデアを起業家と一緒に形に
できないか、と問いかけてくれることもあるかも知れませこの場合には、起業家が当初
考えていたアイデアから、パートナーがもたらした新しいアイデアを実現するための
取り組みへと事業がピボットされる可能性もあるでしょう。
そして、こうした多様な形の望ましいパートナーシップを模索するためには、起業家が
自らのアイデアを積極的に説明すること以上に、相手の話をより多く聞くことが、極め
て重要になります。どのような資源の提供であれば、相手が許容可能なのか、思いやビ
ジョンを含む、どのような手持ち手段(資源)を相手は持っているのか、といつた点につ
いて理解できてはじめて、お互いにとって意味ある取り組みを共創できるといえるでしょう。
「売り込み(selling)」と「問いかけ(asking)」の違い①
※ 省略致します。
「売り込み(selling)」と「問いかけ(asking)」の違い②
Causation(selling)
1. ビジョン(目的)の明確化
2. 実現に必要な資源の明確化
3. 資源を提供できる人々を特定
4. 売り込み(selling)
5. 必要な資源の獲得orその失敗
・成功するか、失敗するか
・1回きりの関係
・アイデアを積極的に説明し売り込み、あなたを買ってもらう必要がある
Effectuation(asking)
1. 手持ちの手段&許容可能な損失でできることの明確化
2. 未来を共創してくれる人々を特定
3. 問いかけ(asking)
4. 新たな資源&ビジョンの獲得→「何ができるか」の再定義
・期待した資源が得られない=失敗ではない
・繰り返し訪問し、別のコミットメントの提供を問いかけることができる
・より多く話を聞くことで、相手が提供できる資源やビジョンについて理解する
必要がある。
この続きは、次回に。
2025年12月15日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美

