今日の気づき-読売新聞「和食のロックンロール」を読んで ①
読売新聞-時代の証言者 和食のロックンロール 村田 吉弘氏を欠かさず、毎回読んで
いました。
料理作りが趣味である私にとっては、知らなかった知識が多く、大変、勉強になります。
参考になった箇所をピックアップし、まとめてみました。
□ 行ってみると、年下の見習い2人が、何かと強く当たってくる。大卒でフランス帰り
の京都の料亭の「ぼん」というのが気に入らないらしい。その様子を見ていた年長の
料理人さんが、人より早く出勤し、人の倍働き、人の嫌がる仕事をするよう、アドバ
イスをくれた。お陰で僕のことをお前と呼んでいた年下の「先輩」たちが、最後には
村田さんと呼ぶようになりました。
□ 「お前はあほか。自分が本当にうまいと思わんものを客に出して、これが菊乃井の味
ですとか言うてどないすんねん。自分がうまいと思うものを出して、それで客が来ん
となったらそれはそれまでや」と言わはる。続けて「自分の思うようにやったらええ
ねん。親父なんか関係あらへん。自分の料理を作らんかい」と言われました。
□ 君らなあ、お金を貯めてきてくれたんやろ、おおきに。吉兆行って食べるぞと思って
来てくれたんやろけど、それでは料理は出せんねん。そやから白湯飲んでまずは落ち
着いてもろうたんやと言われたんです。そういうことかと。さすがやなと思いました。
□ ちょっと味が薄いかなと思うぐらいでお椀を飲みきったら、ああ、おいしかったと
なる。あくる日、昨日はおいしかったというぐらいがちょうどええ。それをお前みた
いに、いっぱいいっぱいにすると、口に含んだ瞬間、うまいとなる。それは後に心が
残らないからあかんって。それは下品な料理やと言ってました。
確かに、味が濃いと最初はすごくおいしく感じますが、だんだん飽きますわね。
子どもはカロリーが高いもんや味が濃いもんがおいしいと言う。トロはおいしいです
が、大人になると、毎日トロが出てきたら嫌になる。高たんぱくで毎日食べても飽き
ひんようなもんがほしくなる。白身の 鯛 とか、京都の 鱧 などです。味がはっきりわ
からんくても、何かおいしい。親父はまた、体の栄養と心の栄養を同時に食べてもら
わんと料理にならんということも言うてました。親父からもいろいろ学びました。
□ 昔の塩には塩化マグネシウムがたくさん含まれていた。塩化マグネシウムには葉緑素
を定着させる作用がある。昔の料理人はそれを経験として知っていて、青菜の色を
良くするために塩を入れたのではないか。しかし、今の精製された塩は塩化ナトリウ
ムがほとんどだから、塩を入れても意味がない。そう考えられるというんです。
えーっ、そうやったんか。色を鮮やかにするには、精製塩の場合は意味ないんか。
もちろん、青菜に下味をつけるなどで塩を使うことはあるでしょう。でも、昔から
続いてきたこと、言われてきたことを漫然と、何も考えずに続けていてはあかんと
思わされた出来事です。
□ 油揚げでよく見られる油抜きもそうです。料理をする前にお湯をかけて油を抜きます
が、昔の油は今ほど油の質が良くなく、油臭さを抜く意味があった。でも、今の油は
質もいい。料理屋が、料理全体のバランスを考えて油を抜くことはあっても、家庭の
料理なら油抜きをする必要はほぼないと思います。むしろ、適度に油があった方が
おいしいし、菜っ葉と炊く時などはビタミンの吸収率を高めますから。
□ うま味は、甘味・酸味・塩味・苦味と並ぶ基本味の一つ。昆布に含まれるグルタミン酸
(アミノ酸)や、カツオ節に含まれるイノシン酸(核酸)、干し椎茸 に含まれるグ
アニル酸(同)などがもたらす、だしのようなグルタミン酸はトマトやチーズなど
にも含まれていますから、うま味は世界共通の味覚ですね。ただし、うま味を発見
したのが日本人で、日本はだしの研究を重ねてきたから、うま味といえば日本やと
いう印象は強いと思います。
《 グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸を突き止めたのはいずれも日本人。イノシ
ン酸は1913年、グアニル酸は57年に発見された》
以上、掲載-1から15までの感想です。
次回は、16から30までをピックアップしたいと思います。
和食を世界中に知らしめるために多くの活動をされていると共に、料理人としての
見識を常に高めようとされていることに感銘を受けます。
読売新聞
2026年2月26日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美

