今日の気づき-読売新聞「和食のロックンロール」を読んで ④
[時代の証言者]和食はロックンロール 村田吉弘<26>生鮮貯蔵に「雪下」原理
2026/02/12 05:00
ZEROCOに入り、保管されているシャインマスカットを手にする村田さん(京都・
菊乃井本店で)=鈴木竜三撮影
食の技術が進んでいます。ええなと思ってうちの店でも取り入れているのが
「ZEROCO(ゼロコ)」と呼ばれる低温・高湿が保てる新しい食材保管庫です。
冷蔵庫でも、冷凍庫でもない第三の鮮度保持技術を持ち、庫内の温度を約0度、湿度を
100%弱に安定的に保てるところがこれまでなかった技術やといいます。
これにより生鮮食品の長期保存が可能になり、もちろん個体差はありますが、イチゴや
レタスだったら約2か月、ナシなら半年以上、ブリなどの鮮魚類も3週間ほど持ちます。
結露やカビの問題も抑制されています。原理的には雪下野菜と一緒やというんですね。
《雪下野菜は冬の期間、豪雪地帯の雪の下で貯蔵・栽培された野菜のこと。凍らない
環境で保存されるため、細胞が守られてみずみずしさを保ち、甘みも増すとされる。
雪下ニンジンなどが有名》
ZEROCOには鮮度保持のほかにもう一つ機能があって、庫内で十分冷却したものを
普通の冷凍庫などで冷凍しても、冷凍焼けや、うま味や栄養を含んだ水分が出てしまう
ドリップ現象が起こらない。水や氷の特性などの研究により、解凍した時の品質の劣化
も防げるといいます。
お 鮨を冷凍するとご飯がパサパサになったりしますが、ZEROCOで保管したものは
自然解凍したらそのまま食べられる。味もほとんど変わりません。
アラブ首長国連邦の首都、アブダビなどは暑すぎて葉物のサラダなどを作るのが難しい
時もありますが、コンテナの中にZEROCOを積んで、そこに生鮮野菜を入れておけば
運べます。これはすごい流通革命になるんじゃないか。国産品の輸出拡大も見込めます。
また、鮮度を保ったまま長期保存ができるようになれば、フードロスも減らせるだろう
し、保存料などの食品添加物を加える必要もなくなります。
うちの弁当は添加物がなく、添加物を抜くには科学的な知識と料理人の技量が必要です。
将来的にZEROCOの価格が下がってコンビニや駅などで添加物なしの弁当が売られる
ようになると、うちの弁当売り場は困るかもしれません。でも、社会正義としてはええ
んちゃうと思う。
賞味期限が変わってくれば、消費者の食への向き合い方が変わっていく可能性もあります。
雪下野菜という昔からの知恵がテクノロジーの力で今に生かされ、流通システムやライ
フスタイルも変えていく。そうしたところを、僕はとても面白いなと思うているわけです。
(「菊乃井」三代目主人)
この続きは、次回に。
2026年3月4 日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美

