お問い合せ

知の巨人 ドラッカーに学ぶ ④

強み—組織のなかでは一人ひとりの人間がそれぞれの強みを生かし、弱みを意味のないものに

   することが人事の要諦である。自らをマネジメントするには、自らが何者であるか、成果をあげる

   にはどう働ければよいか、自らによって価値あることは何か、自らが得るべきところはどこかを

   知らなければ、自らの強みは、フィードバック分析によって知ることができる。

   何かをすることに決めたならば、何を期待するかを書きとめておく。9か月後あるいは1年後に、

   その期待と実際の成果を照合する。期待通りの成果を超える成果の記録から、2.3年もすれば、

   自らの強みを知ることができる。こうして知った自らの強みを仕事と成果の向上に利用すればよい。

   利用の仕方には5つの方法がある。

   第一に、こうして明らかになった強みに集中することである。

   第二に、それらの強みをさらに伸ばすことである。

   第三に、知的な傲慢を矯正することである。強みの発揮を妨げているものを認識することである。

       そのうちの最悪のものが、他の分野の知識を軽くみることである。

   第四に、悪癖や態度を改めることである。それらのもののためにチームワークや協力を阻害しては

       ならない。

   第五に、不得意であるがゆえに行ってはならない分野を知ることである。

目標管理—コミュニケーションについては、4つのことがいえる。

       第一に、人は知覚できるものしか知覚しない。

       第二に、人は期待しているものだけを知覚する。

       第三に、コミュニケーションは受け手に何かを要求する。

       第四に、情報は倫理の対象である。

             宗教人 Spiritual Man

             知性人 Intellectual Man

             経済人 Economic Man

             英雄人 Heroic Man

             自由平等人 Free and Equal Man

 

顧客満足—顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。

     したがって、「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の

     観点から見て、初めて答えることができる。

意思決定—ドラッカーによれば、意思決定とは行動を約束することである。

     起こるべきことが起こらなければ意思決定を行ったことにはならない。

     しかも、ここに一つの当然というべきことがある。ほとんどの場合、行動する役目の者は、

     意思決定を行った者ではないということである。したがって、誰かの仕事として期限を定めない

     かぎり、いかなる意思決定もないと等しい。よき意図があっただけに終わる。

     意見の対立を促すのには、三つの理由がある。

          第一に、組織の囚人になることを防ぐことである。

              必ず誰かが何かを求めてくる。

          第二に、代案を手にすることである。いかに熟慮しようとも、

              代案なしでは決定は賭けに終わる。

          第三に、想像力を引き出すことである。

自己啓発—自己啓発に先立つものに、自己刷新がある。

     自らの成長のために最も優先すべきは、卓越性の追求である。能力は、仕事の質を

     変えるだけではなく、人間そのものを変えるがゆえに、重大な意味をもつ。しかも、

     仕事が心を躍らせるのは、仕事を通じて自己刷新が図られるときである。

     その自己刷新の王道が予期せぬ成功の追求である。

選択と集中—「選択と集中」とは、自社の得意とする事業分野を明確にして、そこに経営資源を集中的に

       投下する戦略である。ドラッカーの口癖である「強みを生かす」にも通じる考え方だ。

 

この続きは、次回に。

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