企業とは何か-⑭
社会の要求と個人の欲求の調和
・市場を制約し、市場を機能させる
・変化を調整する市場
・市場がもたらす尺度
自由ならざる社会
経済市場主義のもとでは、経済に関する決定が一人ひとりの人間の経済上の欲求すなわち
市場によって行われないかぎり、自由な社会にはなりえないということである。
・利己心と公益
・市場は社会の利益のために機能する
第12章 完全雇用の可能性
雇用こそが産業社会の試金石
・完全雇用とは何かを指すか
完全こようという言葉はいたって曖昧である。
自由企業体制は社会の全員に望の仕事を与えられるかとの意味であれば、
答えは一つである。そのような保証をできる経済体制はあり得ない。
・そもそも経済変動を嫌うことが間違いである。
リスクを避けるならばチャンスを失う。完全な安全は完全な硬直である。
われわれが必要とするものは、大規模かつ長期の失業を防止し、能力と意欲のある者に
生きる機会を与えることである。
・不況の原因を知る
不況の梱包原因は、近代産業精算の複雑性という、われわれにとっては直しようも避けようもない
ものである。不況対策は、経済的な要因に対してよりも、不況がもたらす活力の低下に対してとる
べきである。
近代産業社会は、不況とそれに伴う長期失業がもたらす社会の崩壊に耐えることはできない。
放任政策が経済学的には正しくとも、長びく不況は社会的、政治的な危機である。
したがってあらゆる先進社会が、不況に対しては積極的な対策をとらざるをえない。
・不況の治療法は生産することである
慢性的失業とは、生産資源の不完全料と同義だということが明らかになっている。
そして、このことがわかったからには、不況から脱する方法とは生産することであることが
明らかである。資本財の生産が充分行われているかぎり不況は起こらない。
不況下にあっても、資本財の生産が一定水準まで回復するや雇用も回復する。
工業生産の四分の一を占めるにすぎない資本財生産が経済全体の動向を定める。
消費財生産では、不況を克服することも雇用を回復することもできない。
・社会主義では解決できない
この続きは、次回に。