「新訳」 イノベーションと起業家精神 上 ①
「新訳」 イノベーションと起業家精神 上
その原理と方法 P.ドラッカー 上田惇生「訳」
※ 私はこれまでに、この書籍-上下を2回読みました。
私としては、非常に参考となる部分が多く、抜粋きれない程です。
私の私見で、参考となった個所をお伝えしたいと思います。
まえがき
・本書は、イノベーションと起業家精神、戦略の三つに分けて論ずる。
● イノベーションの部—イノベーションの機会をどこで、いかに見出すかを明らかにする。
● 起業家精神の部—イノベーションの担い手たる組織に焦点を合わせる。
● 戦略の部—現実の市場において、いかにイノベーションを成功させるかについて述べる。
・イノベーションが成功するかどうかは、その新奇性、科学性、知的卓越性によってではなく、
市場で成功するかどうかによって決まる。
・イノベーションとは何か。
起業家は、イノベーションを行う。
イノベーションは、起業家に特有の道具である。
イノベーションは、富を創造する能力を資源に与える。
それどころか、イノベーションが資源を創造するといってよい。
・意識的かつ組織的に変化を探すことである。
・既存の資源から得られる富の創出能力を増大させるのも、イノベーションである。
・成功したイノベーションは、驚くほど単純である。
・イノベーションを成功するためには、小さくスタートしなければならない。
大がかりであってはならない。具体的なことを一つ行うだけでよい。
・なすべきではないこと。
(1) まず、利口であろうとしてはいけない。
イノベーションの成果は、普通の人間が利用できるものでなければならない。
(2) 次に、多角化してはならない。
散漫になってはならない。
一度に多くのことを行おうとしてはならない。
(3) 最後に、明日のためにイノベーションを行おうとしてはならない。
現在のためにイノベーションを行わなければならない。
↓
「25年後には、大勢の高齢者がこれを必要とするようになる」と言えるだけでは十分でない。
「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。もちろん時間が見方である。
25年後には、もっと大勢の高齢者がいる。」と言えなければならない。
現在の時点で直ちに利用できなければ、ダ・ヴィンチのノートに描かれたスケッチと同じで
あって、アイデアにとどまる。
・イノベーションを成功させるための三つの条件
● イノベーションとは、仕事でなければならない。
イノベーションには、他の仕事と同じように才能や素地が必要である。
しかも、イノベーションとは、あくまでも意識的かつ集中的な仕事である
勤勉さと持続性、それに献身を必要とする。
これらがなければ、いかなる知識も、創造性も、才能も無駄となる。
● イノベーションは、強みを基盤としなければならない。
イノベーションほど、自らの強みを基盤とすることが特に重要なものはほかにない。
なぜなら、イノベーションにおいては、知識と能力の果たす役割がきわめて大きく、
しかもリスクを伴うからである。
● イノベーションはつまるところ、経済や社会を変えるものでなければならない。
プロセス、すなわち働き方や生産の仕方に変化をもたらさなければならない。
イノベーションは、市場にあって、市場に集中し、市場を震源としなければならない。
この続きは、次回に。