「新訳」 イノベーションと起業家精神 上 ②
・イノベーションには、リスクが伴う。
イノベーションは、どこまでリスクを明らかにし、それをどこまで明らかにできたかによって
成功の度合いが決まる。どこまでイノベーションの機会を体系的に分析し、どこまで的を絞り、
利用したかによって決まる。
まさに成功するイノベーションは、予期せぬ成功や失敗、ニーズの存在にもとづくものなど、
リスクの限られたイノベーションである。あるいは、新しい知識によるイノベーションのように、
たとえリスクが大きくとも、そのリスクを明らかにすることのできるイノベーションである。
イノベーションに成功するものは保守的である。
彼らは保守的たらざるを得ない。彼らはリスク志向ではない。機会志向である。
シニアの為に、何かを生み出したい人、何かを根本的に変えたい人は
是非、お読みいただきたい。
旧訳「イノベーションと企業家精神」の前半、イノベーションの部の新訳である。
後半は、起業家精神と企業家戦略の部
・イノベーションとは、「より優れた、より経済的な財やサービスを創造することである。
企業は単に、経済的な財やサービスを供給するだけでは十分でない。より優れたものを創造し、
供給しなければならない」
[序章] 起業家経済
1 膨大な雇用はどころから生まれたか
・アメリカの雇用増
アメリカでは、1965年から85年までの20年間に16歳以上人口が、1億2900人から1億8000人と
40%増えた。同じく就業者人口は7100万人から1億600万人へと50%増え、1974年日本では、
1970から82年までの12年間に10%しか増えなかった。アメリカの半分以下の伸びにとどまった。
2 ハイテクとはかぎらない
1965年以降に創出された4000万人を超える雇用のうち、ハイテクによるものは500万人かせいぜい
600万人である。これは、「煙突産業」の喪失分を補うにすぎなかった。
ほとんどがハイテク以外のものによって創出された。
新しく設立される企業のうち、最も広い意味でのハイテク産業さえ、10パーセントか20パーセント、
総数にして1万件にすぎない。
・象徴としてのハイテク
・コンドラチェフの周期
ソ連の経済学者ニコライ・コンドラチェフによれば、技術は50年周期でピークに達する。
・何かが起こっている
ハイテクは、ビジョンを与え、進歩の速度を規定するという意味において重要な役割を果たす。
しかし、ハイテク企業は四分の一にすぎない、四分の三はローテク企業である。
これは毎年変わらない。
・起業家経済の登場
この続きは、次回に。