認知症にならないための 決定的予防法㉕
単炭水化物がアルツハイマーにつながる
単炭水化物の多いバランスの悪い食事を長年とっていると、体がインスリンの働きに
反応しにくくなります。
インスリン値は高いのに、血糖値が急激に上がり、余分な血糖が脂肪(胴回りにつく脂肪)に
転換されるようになるのです。
これはメタボリック・シンドロームや2型糖尿病、コレステロール高値、LDL<悪玉>
コレステロールの増加、HDL<善玉>コレステロールの減少、および中性脂肪の増加につながります。
血液中の糖つまりグルコースが増えると、神経や目、肝臓、心臓の毛細血管に障害が起こり、
太い動脈が熱くなって動脈硬化が起こりやすくなり、それが心臓発作や脳卒中の原因となり、
アルツハイマー病へとつながります。
インスリン値の高さは、脳のなかにあるインスリン分解酵素(IDE)にも影響をおよぼします。
この重要な酵素は、アルツハイマー病を引き起こす有害なタンパク質、ベータアミロイド・
タンパク質を除去する代わりに、インスリンをとり除こうとして過剰に働くようになります。
こうした状況が繰り返して起こり、それでも体内のインスリン値がしばらく高い状態がつづくと、
脳のなかでゆっくりと容赦なく、アルツハイマーを発症させるベータアミロイドが蓄積していきます。
これは喫煙が肺におよぼす影響と、似たような作用です。
バランスと調和のとれた食事方法が脳を守る
アルツハイマー予防食は、<調和のとれた食事方法>にもとづいています。
つまり、1日を通してよい脂質、リーンタンパク質、および複合炭水化物をバランスよくとれば、
インスリン値が高くなり過ぎることを防ぐことができます。
体内のインスリンが多過ぎると、疲労を感じ、太ります。しかし、体内のインスリンが
少な過ぎても、具合が悪く弱っているように感じます。
ホルモン交響楽団の指揮者であるインスリンが正常範囲でバランスを保てれば、気分は最高になり、
健康的で、頭もはっきりした状態で長生きできるのです!
インスリン値が適度であることが、最も健康な脳の状態につながるのです。
これまで脳の健康状態に無頓着だった読者の方には、いまこのステップで、適切な割合の
適切な栄養素を脳に供給し始めるよう説得したいものです。
そうすることで、この先の人生もずっと、脳が元気で健康でいられるようにするためです。
アルツハイマー予防食とは?
アルツハイマー予防食は、抗酸化物質、オメガ3脂肪酸、葉酸をはじめとする、脳を
活性化するうえで欠かせない栄養素に富んだ、実際的な食事です。
これはまたよい脂質—脂がのった魚、オリーブ油、ナッツ類、亜麻仁など心臓によい脂質—と、
リーンタンパク質と複合炭水化物にも富むもので、1日を通して正常な血糖値を保つように
配分されているものです。
アルツハイマー予防食は、精製した小麦粉でつくった白パン、白パスタ、あるいは白米のような
でんぷん質の食品は勧めません。
いずれも、食べてから数分以内で消化されて糖になる食品です。
精製されたでんぷんと凝縮された糖分は血糖値を急激に上げるため、過食や体重の増加に
つながります。
アルツハイマー予防食は、アルツハイマー病を防ぐうえで役立つだけでなく、体重を管理して
肥満を防ぎ、血圧と異常脂質を下げ、心臓血管疾患や糖尿病のように、アルツハイマー病に
つながる病気にかかる危険性も減らします。
この続きは、次回に。