ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑨
15 「使命」と「目的」を再確認する
—-「利益」だけでは「社会的責任」を実現できない
● 「理想と現実とのギャップは生まれ続ける」
社会的責任を果たすためには、「業績」をあげなければいけない。
資本的コストに見合うだけの利益をあげない企業は、社会的に「無責任」だといえる。
善意だけでは何も行えない。
従業員、環境、社会環境などへの責任を果たせない。
理想、あるべき姿、未来像と現実との「ギャップ」は生まれ続ける。
● 明確な「使命感」が成果を生む
まず組織の目的を明確にしなくてはいけない。
目的に向かって集中するのだ。
組織はコミュニティや家族とはちがう。
組織は「道具」だ。道具は使えなければならない。
組織に「明確な使命」がなければ、ただちに組織は崩壊する。
価値と信頼を失い、有能な人材も手に入らなくなる。
使命は「ひとつ」ではなくてはいけない。
そうでないと混乱する。
社員それぞれの「専門能力」を十分に発揮して共通の目的の達成に向かって働いてもらうのだ。
● 単なる破壊ではいけない
組織は「変化」のためにある。
目的が正しくなければイノベーションは「創造的破壊」にならない。
たんなる「首切り」や「工場閉鎖」になってしまう。
組織に必要なのは単なる破壊ではない。
「創造的破壊」である。
16 何を目標とすべきか
—-自社の強みを生かす
● ギャップを分析するアプローチ
前項でふれた「理想と現実」「未来と現在」のハザマ(ギャップ)をどう分析するか?
ドラッカーは五つのアプローチを考える。
1 少子化、高齢化、人口の変化
2 経済問題。急激な不況
3 流行、趣味
4 他社状況、他国の競争
5 顧客の欲求の変化
アプローチを考えると、自分の企業の「強み」と「弱み」が見えてくる。
「強み」は「やるべきこと」であり、「弱み」は「やめるべきこと」である。
「使命感」と「目的」。「強み」と「弱み」を比べると、組織の「あるべき姿」が鮮明に見えてくる。
●「目標」についてのおさらい
「企業の目標」について復習する。
1 マーケティング(市場を明らかにする)
2 イノベーション(やるべきことの具体化)
3 人間組織(人的資源の採用と育成)
4 財務資源(調達と運用)
5 物的資源(調達と運用)
6 生産性(3、4、5のそれぞれの生産性)
7 社会的責任(労働者。納入業者。そのほか企業に発生する責任)
8 利益
理想と現実、現在と未来のギャップを埋めるためにはどうすればいいか?
多くの成果が得られるのは、自社の「強み」を生かしたときだ。
目標の達成には「成果の指標」が必要である。
「シェアをのばす」のではなく、「シェア10パーセントにする」という成果指標が要だ。
この続きは、次回に。