ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑫
第3章 知識社会の到来 —-知識労働者の拡大
20 知識社会を提唱していた
—-直接、サービスや製品を生み出す
⚫️ 「知識社会」とは
ドラッカーは新しい考え方を提案した。
「知識(ナレッジ)は、資本や労働力に代わって新しい生産手段になった」
⚫️ 「資本家の力が衰えた」
知識社会はそれぞれの社会とはちがう。
知識労働は直接、「サービスや製品」を生み出す。
そのため資本家の力は衰えはじめた。
反対に知識労働をしている社長や社員のほうが「価値がある」といえる。
知識は知識労働者が所有する。
生産手段は、知識労働者が持っている。
資本家が「工場(生産手段)」を持っていた時代が、変質してしまったのだ。
⚫️ 「知識労働者」が世界を変えた
第二次大戦のころまでは、知識労働者というと、管理者、ホワイトカラー、文人、知識人などだった。
戦後、主に先進国では肉体的な動作をともなう知識労働が増殖する。
インダストリアルエンジニアリングが中心になった。
※ インダストリアルエンジニアリング(IE)—-工程管理の技術の一つです。
日本語では「生産工学」などと呼ばれています。
「IE」は、無駄のない最善の方法を作り出すための手法です。
「生産性向上」と「原価低減」をおこなうことができます。
「工程管理」には、必要な知識です。
21 テクノロジストが知識労働者の代表だ
—-熟練工のあと、産業をになう者だ
⚫️ テクノロジストが重要になった
知識労働は「コストではなく資本財」として評価すべきだ。
コストは減らさなければいけないが、資本財は増やさなくてはいけない。
⚫️ 「暗黙知」から「形式知」の時代へ
従来の熟練工の世界は、コツやカンがものをいった。
「仕事は盗め」とか「「自分で学べ」という感じだ。
昔の企業はこの「親方や徒弟の世界」と変わらなかった。
物理学者のマイケル・ポランニーは、こうした知識を「暗黙知」と呼んでいる。
ポランニーはドラッカーと親しく、ドラッカーの思想から学んでいる。
「暗黙知」に対して「形式知」がある。
「形式知」は学校や職場で同じ知識を共有するようなものだ。
「知識は、明文化、理論化される」のだ。
コツやカンの世界は崩壊する。
形式知をナレッジマネジメントの目的にするためには、訓練や教育が必要だ。
⚫️ 兄のカール・ポランニーからも学ぶ
ドラッカーはカールの「経済人類学」からも影響を受けた。
余談だが知っておこう。偉人は誰からでも吸収する。
⚫️ ナレッジテクノロジスト(知識技術者)は、「知識労働」と「肉体労働」の両方をあつかう。
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専門知識を持ちながら肉体労働をする人
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知識技術者の生産性を高めることがマネジメントだ。
22 高度な知識労働者とサービス労働者
—-3種類の人間が構成する
⚫️知識労働者がどんどん増えていく
ドラッカーは労働者を三つにわけて考えている。
前項の「テクノロジスト」のほかに「知識労働者」と「サービス労働者」だ。
「知識労働者」は高度な知識を持ち、組織の成果に責任を持つ人だ。
「サービス労働者」は知識の専門性は低く、主にルーティン(定期的)な仕事につく。
「知識労働者」「テクノロジスト」「サービス労働者」で知識社会は構成されている。
マネージャーは「知識労働者」の場合が多い。「サービス労働者」は事務や受付など組織の成果とは
直接関係のうすい人だ。三者は保管し合っている。
⚫️ 多くの労働者がテクノロジスト的になる
三者は明確にわかれているものではない。
「サービス労働者」から「テクノロジスト」になりつつあるといえる。
専門の教育、訓練、仕事の明確化などが進んでいるのだ。
⚫️ 「テクノロジスト」が生産性を高める
看護師の仕事はテクノロジストとなって生産性があがっている。
需要は高まり、看護を学ぶ学生は増え続け、高齢者、身障者、低所得者向けの医療も増えている。
「看護師の仕事の目的は『患者の満足』だ。
ところが時間の半分は看護以外の仕事で追われている。
書類の作成、電話の応対、院内の人間関係、会議などだ。
それでもテクノロジストとしての看護師はよりよい仕事を、少ない時間で行っている」(ドラッカー)
もっと効率化しなければならない。
そうしないと、仕事に魅力を失い、看護師のなり手が減少するだろう。
知識労働者の生産性を高めなければならない
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マネジメント
この続きは、次回に。