ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑭
25 「マネジメント」は経営の骨格だ
—シーメンスと三菱
⚫️ シーメンスは有能だったが—-
「組織にはマネジメントが必要だ」(『エッセンシャル版マネジメント』)。
シーメンスは「助手と補佐」しか置かなかった。
「マネジメント・チーム」を置かなかったのだ。
やがて業績不振の時代を迎える。すると会社は方向性を失った。
シーメンスが死んで、やっとマネジメント組織が社内に作られた。
その後、業績は急速に再生した。
⚫️ 三菱は創業者一族がマネジメント
三菱の創業者岩崎弥太郎は一文なしの武士からスタートしオーナー兼起業家として成長したが、
1920年代に成長が鈍化。そのころ弥太郎は死んだが、一族や側近は弥太郎の家訓を守り組織改革をした。
日本流「マネジメント・チーム」を作り、そのときから三菱の真の成長が始まった。
⚫️ 「マネジメント」は骨格だ
脊推動物(ほ乳類など)は骨格で成長する。
「マネジメント」は骨格だ。骨格のもとで複数のメンバー(機能)が体内の多様の問題を処理する。
そのため脊推動物のように大きく成長できるのだ。
「マネジメント」の必要性をシーメンスと三菱が教えてくれる。
26 生産性を高める6ポイント
—目的を考えるのはメンバー自身だ
⚫️ 生産性を高めるポイント
「知識社会」ではちがう。
生産性の向上は、肉体労働ではなく、知識労働の生産性の向上が主となる。
ドラッカーは、「知識労働者は全労働者の5分の2に達するだろう」といった。
先進国の繁栄と生存はこの点にかかっている。
ドラッカーは「生産性を向上させる六つのポイント」を教えている。(『明日を支配するもの』)。
1 仕事の目的を考える
2 働くもの自身が生産性の責任を持つ
3 継続してイノベーションを行う
4 自ら継続して学び、人に教える
5 量より質だと理解する
6 コストではなく資本財と理解する—知識労働者は経費ではなく資本財である。
資本財とは将来の生産に使用される財。
⚫️ メンバーが目的を変える
「目的」は「経営者だけがわかっていればいい」というものではない。
オーケストラの例でもわかるように、メンバーそれぞれが楽譜(役割)を持っているのだ。
知識労働で「大切なのは目的」である。肉体労働者が「何を行うべきか」を問わない。
「いかに行うべきか」を問題にしている。
「知識労働」ではメンバーが目的を判断する。
生産性をあげるためには全体の目的を変えなくてはいけない。
ここがポイントだ。
27 コミュニケーションの四つの要素
—コミュニケーションは情報ではない
⚫️ チームワークにはコミュニケーションが必要
ドラッカーは「部下など存在しない。すべて同僚だ」という。
同僚はチームワークが重要だ。そのためにはコミュニケーションが必要だ。
『エッセンシャル版マネジメント』では、コミュニケーションの要素を四つあげている。
1 コミュニケーションは知覚だ
2 コミュニケーションは期待だ
3 コミュニケーションは要求だ
4 コミュニケーションは情報ではない
⚫️ 四つの要素を説明しよう
1の知覚は「受け手の能力」のことだ。
テレビの子供番組では難しい言葉を使ってもわからない。
2は「期待」だ。
受け手は「期待しているもの」だけを知覚する。
期待しているものは無視されたり、まちがって知覚されたりする。
嫌われている相手に愛の告白をしても通じないのと同じだ。
3は「要求」だ。
受け手の価値観、目的、要求に合うと力を持つ。
受け手は、何かを「要求」として発信しているものだ。
4の「情報でない」というのはわかりにくい表現だ。
コミュニケーションと情報は依存関係にあるという。
つまり情報を発信しただけではコミュニケーションとはいえない。
情報の受け手に到達してこそコミュニケーションだということだ。
「伝える」だけでなく、相手に「到達する」ことが大事な要件である。
情報は大事だが、コミュニケーションこそもっと大事だ。
企業の盛裏を左右するのだ。
コラム◽️ドラッカーゆかりの人物3《キルケゴール》¥
※ 省略致します。
この続きは、次回に。