『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』最終
32.「5回のWhy?」よりも「5回のHow?」で考える
トヨタには、「なぜ」を5回繰り返す「なぜなぜ分析」という手法があります。
有名な習慣なので、耳にしたことのある人も多いでしょう。
この「『なぜ』を5回繰り返す」とは、社内で何か問題が起きたとき、「なぜ?」を5回繰り返して
問題の根本的な原因を突き止める、というものです。
トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏が提唱したとされています。
「なぜ?」よりも「どうするか?」が問題解決への最短経路
たしかに、オフィスでの仕事でも、問題の根本原因を突き止める必要がある場面は多々あります。
しかし実際に仕事を進めていくうえで実感したのは、「なぜ?」より「どうするか?」を考えるほうが
圧倒的に多かったということです。
なぜなら、組織が大きければ大きいほど関わる人も多くなり、ともすれば仕事がすぐに停滞モードに
陥ってしまうからです。
そんなとき、「『なぜ』を5回繰り返す」を盲目的に実践すると、ますます仕事は滞ります。
そこで、例えば「スケジュールを間に合わせるためにどうするか?」「クレームに対してどううまく
対処するか?」「仕事の効率を上げるためにどうするか?」というように、「どうするか?」を軸に
問いを立てたほうが機能するのです。
反対に、「なぜ?」で仕事を進めると、考えが当初の目的と違った方向に行ってしまう場合もあります。
要はバランスが重要なのですが、特に現在のような変化のめまぐるしい時代においては、
「Why?(なぜ)」以上に「How?(どうやって)」を重視すべきだと私は考えています。
課題に対して具体的にどんな手を打っていくのか、どうやって問題を解決していくのか。
そこを中心に、スピード感を意識しつつ考えていくわけです。
33.最終的なゴールは「紙0枚」で仕事ができるようになること
仕事の現場では時に突然の質問にも応えられる力が求められます。
その場で即座に情報を整理し、考えをまとめ、伝えるべきことを伝えなければならないのです。
もし、このときに、「ちょっと待ってください。夕方までにお答えします」などと答えていたら
どうでしょう。多忙な上司と次に直接話ができるまでに、また数日待たなければならないかもしれません。
はたしてそれで、あなたが望むキャリアを歩むことはできるでしょうか?
本当に相手の役に立つ働き方ができるでしょうか?
私がこれまで出会ってきた「仕事のできる人」というのは、こうした突発の場面であればあるほど、
すぐれたコミュニケーション能力を発揮する人です。
そもそもなぜ、「紙1枚」にまとめる技術が必要なのか?
私はここまで「エクセル1」と「ロジック3」という2つの道具を使って、情報を整理し、考えをまとめ、
伝える技術をお伝えしてきました。
そして、仕事に関するあらゆる情報を紙1枚にまとめることによって、それがさまざまな機能を
発揮してくれるということが、少しはわかっていただけたかと思います。
ところで、あなたはそもそもなぜ、こうした技術を学んだのでしょうか?
この「紙1枚」にまとめる技術を学び、実践することで、いったいあなたのどんなところが
カイゼンされるのでしょうか?
私がもっとも大きな要素と捉えているのが、「伝わるかどうか」「相手が受け取れるかどうか」と
いう視点です。
自分目線から相手目線への切り替えの先にあるのは、「紙0枚」の状態でも仕事ができるようになる、
という最終ゴールです。
「エクセル1」や「ロジック3」を使ってまとめる作業は、そのための思考のトレーニングなのです。
いずれは紙やペンなしでも伝えられるようになるための、考え方の癖をつける基礎練習です。
これまで紙面上に書き出していた頭の中の動きを、瞬時に、自然にできるようになれば、もう紙は
必要ありません。「紙0枚」で仕事ができるようになるわけです。
あなたもぜひ、その状態を目指して、「仕事のできる人」の仲間入りをしてください。
34.「選ばれ続ける」かどうかは〝紙一重〟の差で決まる
私は「1枚」をキーワードに1000人を超えるビジネスパーソンの方々に、情報を整理し、
考えをまとめ、伝える技術を提供する仕事をしています。
「1枚」のおかげで、さまざまな場面で「選ばれ続ける」ことができたのです。
あなたにも選ばれ続ける人になってほしい—。
選ばれ続けることで、望み通りの人生を送ってほしい—–。
私がこの仕事術をお伝えするもっとも大きな動機が、ここにあります。
そのために必要なのは、情報を整理し、考えをまとめ、伝える力です。
私たちをとりまく情報は数十年前に比べて、爆発的に増えました。
また、情報へのアクセスも実に簡単になりました。
おかげで生活は大変便利になりました。
しかし便利になっていく一方、私たちのまとめる力はどんどん衰えてきています。
膨大や情報を取捨選択し、必要な情報を抽出し、情報と情報を組み合わせたり、関係性を
見出したりするなどして、自分なりの意見や考えを生み出す力が弱まっているのです。
この力が弱ければ、「選ばれ続ける」ことは容易ではありません。
そこで、本書でお伝えしている「紙1枚」にまとめる技術、すなわち、「エクセル1」や「ロジック3」を
使った思考のトレーニングを身につけてほしいのです。
このトレーニングは、とにかく実践してみることが重要です。
ペンと紙を用意し、手を動かして書いてみる。
手元にノートがなかったら、コピー用紙の裏紙でもかんでもかまわないので、とにかく書いてみて
ください。
さあ、さっそく始めましょう!]
おわりに
※ 省略致します。
参考文献
※ 省略致します。
総括 いかがでしたか。
私がこの書籍を読んでみたいと思ったのは、これまでの補助金申請が不採択になっていたからです。
自分の考えを簡潔にまとめる、採択者にわかりやすく、自分自身のための内容になっている—。
これまでの私の企画書、ビジネスプラン等々は一種のマスターべーションで、自己満足では
なかったかと、思ったからです。
購読してみて、いろいろと勉強になりました。
また、「自分のこれまでの経験=実績」がこのような書籍となって、発刊れ、発売されることに、
一つのビジネスバーソンがあることを感じました。
詳細は、是非、購読にてお願い致します。
それでは、次回を楽しみに。