訪日外国人インバウンド市場 攻略の鉄則-8
✔️ハラルなどの異文化対応
外国人が、自分は受け入れ可能か判断できる「情報開示」を
インバウンドに関する異文化対応の代表例が、イスラム教信者「ムスリム」との付き合い方だろう。
非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事の佐久間朋宏氏にそのポイントを聞いた。
Keywords ◯ ムスリムフレンドリー ◯ 地域や異業種間の連携
・ 「完璧なハラル対応」は期待していない
一般に、イスラム教=ムスリムは親日派が多いと言われている。
宗教への深い帰依から派生した健康・長寿へのあこがれが、世界トップレベルの平均寿命を誇る
日本文化や人間性への尊敬にも通じているという。
ホームページより抜粋—-
き‐え【帰依】
[名](スル)神仏や高僧を信じてその力にすがること。「三宝 (さんぼう) に―する」
佐久間氏は「日本が非イスラム国家であることはムスリム側もわかっているので、
自国のような完璧なハラル対応は期待していない」と語る。
・ 真しな姿勢はムスリムの共感を呼ぶ
食材や調理方法について彼らの母国語で説明したメニューを用意すると、ムスリムたちは自分で
受け入れるかどうか判断できます。
ムスリムの立場に立った『丁寧な情報開示』も大切です。(佐久間氏)
・ 本業のブラッシュアップの好感
異文化対応は、追加業務ではなく、本業をブラッシュアップさせるチャンスと考えてみては
いかがでしょうか。
インバウンドビジネスのポイントは、「情報収集」「マーケティング」「商品開発」「営業・販売」など
多方面にわたる。これまでのハラル対応で見てきたように、訪日外国人の背景にある価値観や
文化を理解し、「何ならば食べられるのか?」「何が好きなのか?」を把握した上で商品・サービスを
提供したい。地域や異業種間での連携も有効な対策といえるだろう。
「食」に対してムスリムが求める対応の幅
⬜︎ 非イスラム国の日本で提供される物は食べられない。
自国からのカップラーメンなど食料を持って日本に訪れるムスリムもいる。
⬜︎ ハラル認証取得レベル→理想だが困難
例 使用している食材はハラルである。
ハラル専用キッチンを設けている。
アルコールの提供は一切行わない。
イスラム教徒のシェフがいる。
日本の一般的な外食において、厳格なハラル対応は現実的に厳しい。
⬜︎ ムスリムフレンドリー→現実的
例 使用している食材はすべてハラルである。
ハラル専用キッチンではないが、ハラル専用の調理器具を使用し、
食材や食器類も明確に分けて管理する。
アルコールの販売も可能。
「ムスリムフレンドリー」は一般名称で明確な定義はないが、一般的には「完全ではないが、
できる限りイスラムの教えにしたがった対応」の意味。
ムスリムが自分で受け入れるかどうか判断するための「情報開示」が必要。
⬜︎ ノーポーク(ノーアニマル)・ノーアルコール
ムスリムが最も気にする「豚」と「アルコール」を排除した料理の提供。
東南アジアでは「No Pork」だけを掲げているレストランも多く見かける。
この続きは、次回に。