当社のBusiness Purpose(事業目的) Part4
飲食店の利益構造は?
飲食店の経営数値に関して最も重要な公式は、以下の通りです。
利益=売上-経費
お店を運営していて、最終的に利益を残すことができなければ、そのお店は遠からず潰れてしまいます。
ここで大事なのは、この公式の順番が、売上-経費=利益ではない、ということです。
結果としていくら売り上げて、その売上を立てるためにかかった経費を売上から「引いた結果」が
利益なのだ、という捉え方をしないでください。
逆に飲食店経営をする際には、最終的に残したい利益率と額をしっかりと設定して、その利益を
残すためにはどれくらいの売上と経費が必要なのか、という考え方に基づいて計画を立てて下さい。
「売上高対営業利益率」という、最終的に店の売上に対して何%の利益が残るのか、という考え方を
ベースに考えましょう。
実は、飲食業界はこの営業利益率があまり高くありません。
一般的な飲食店で、営業利益率は2~5%程度だと言われています。
つまり、5%の利益率の場合は仮に1ヶ月に1,000万円の売上があったとしても、50万円しか利益が
残らないということになります。
500万円の売上ならば25万円、300万円ならばたったの15万円です。厳しいですね。
どうやったら利益が出るのか?
では、せっかく1,000万円も売上があるのに、なぜ5%しか残らないのでしょうか?
その正体は「経費」です。
「FLコスト」という言葉は聞かれたことがあるでしょうか?
売上高に対してかかるF=Food=食材原価と、L=Labor=人件費のことです。
飲食店の経費の中で、このFLコストが最も重くのしかかってきます。
「FL比率」と言いますが、売上高に対して大体60%程度もかかってしまいます。
1,000万円の売上の場合は600万円です。大きいですね。
FLコスト以外に重いものとしては、家賃(賃料)があります。
家賃は売上高の10%程度までに抑えた方が良いでしょう。
その他、飲食店経営にかかってくる細々した経費には、以下のようなものがあります。
利益 | 5% | 最終的に残る利益 |
雑費 | 2% | おしぼりやテーブルクロスなどのリネン関連 |
借入返済金 | 2% | 借入をしているお金にかかってくる金利 |
消耗品費 | 5% | 割り箸、コースター、紙ナプキン、ペーパータオル、トイレットペーパーなど |
水道光熱費 | 8% | 電気・ガス・水道代など |
減価償却費 | 8% | 厨房機器や内装設備などの減価償却費 |
家賃 | 10% | 店舗用家賃 |
人件費 | 25% | 人件費 |
食材費 | 35% | 食材費 |
先ほどお伝えした通り、「色々な経費を払っていったら、最終的にいくら残った」ではなく、
「5%の利益を残すために、どの経費どどのようにコントロールするか」という考え方が重要です。
まず、これらの経費の中で、家賃と減価償却費、借入返済金などは店の売上高に関わらず、
必ず出ていってしまう「固定費」と言われるものですので、細かいコントロールはできない内容です。
それ以外の経費の中でコントロールをしやすいのはどれでしょうか?
どれも削るのは難しいのですが、比較的コントロールしやすいのは、水道光熱費と言えます。
水を出しっぱなしにしない、食器洗浄機はある程度食器がたまってから動かす、バックヤードの電気は
こまめに消すなど、スタッフの意識によって数パーセント削ることも可能でしょう。
ただし、お客様に悪い印象を持たれるような経費削減はしないでください。
暑い夏の日にクーラーをかけない、寒い冬の日に暖房を抑えるなどしてしまうことはやめるべきです。
また、人件費と食材費も、コントロールがしやすいでしょう。
昨年同月同日(同曜日)の売上実績などを見て、あまり売上が立ちそうもない日にはシフトインする
人数を絞って人件費を浮かす、もしくは早上がりをお願いしてみるなども効果的です。
食材も、野菜を近所のスーパーから買ってくるのではなく農家から直接仕入れるなどすれば、
一気に数パーセントもコストダウンすることが可能となります。
これらのコストコントロールが出来てきたら、浮いたお金は次のお客様を呼び込むための販促費に
回してください。
赤字だから販促費をかけない、はいけません。
赤字だからこそ、他の経費を削って、必死の思いで販促をしていなかないと、閉店の憂き目に
あってしまいます。
まずは売上高対販売促進費で3%をかけられるように、コストコントロールをしていきましょう。
面倒で小難しい計算は自動化して、考えることに集中しましょう
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この続きは、次回に。