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シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ⑭

共有資源の尊重

 

「共有資源-コモンズ」というコンセプト、つまり人類全員が所有する資源を示すこの言葉の

起源はローマ時代にさかのぼる。

古代ローマ人は、特定のもの、たとえば公園や道路、公共の建物などを「レ・パプリカ

(公共の利用のためにとっておくもの)」と呼び、空気や水や自然の動物、また文化、言語、

一般知識などを「レ・コミュニス(全員が共有する)」と呼んだ。

 

  ※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。

 

デヴィッド・ボリアーが、『ヴァイラル・スパイラル(Viral Spiral)』に書いているように、

「共有資源—-多くの人にとって漠然としたコンセプト—は共通の興味をもつ人々が価値を

生みだしコミュニティをつくるための新たなパラダイスだ」。

 

コラボ消費は、みんなと一緒に答えを探したいという気持ちや、同じような興味をもつ

人々のムーヴメントに参加したいという自然な欲求に応えることで、「もらうために

あげること」をメディアやコンテンツに限らず生活のそれ以外の場面にどうやってあて

はめるかということにつながっている。

そしてコラボ消費の経験は、「消費すること」もさることながら「コラボレーションすること」が

楽しいのだ。

 

電話はこの世に一台しかなければ使えないけれど、より多くの人が持てばネットワークが拡大し、

電話の持ち主一人ひとりにとって電話の価値が上がる。

同じように、ランドシェアやエアビーアンドビー、自転車シェアといったサービスも、

加入者が増えれば増えるほど、全員にとってよりよいシステムになる—-これがネットワーク効果だ。

コラボ消費に参加する人は、たとえそのつもりがなくても、それぞれが他の参加者に価値を

提供している。

 

 

他者との信頼

 

オストロムの研究とコラボ消費のもうひとつの接点は、人々が協力してプロジェクトや

特定のニーズにあたれるような適切なツールを持ち、お互いを監視し合う権利を上手に

管理できれば、「コモナー(共有者)」は共有至言を自己管理できる、とした彼女の考えだ。

 

コラボ消費のほとんどのモデルは、程度の差はあっても、見知らぬだれかを信用しなければ

成り立たない。

 

ハイパー消費社会では、仲介者が「二人の主人公の間に立つ第三の人物」として生産と

消費の橋渡し役となってきた。

セールスマンやトレーダー、マネージャーやブローカー、公証人や仲介人、代理店や

流通業者が取引を引き受け、管理していたために、主人公がお互いを信用し合う必要は

なかった。

そこにはきちんとルールがあった。しかし、コラボ消費ではこうした仲介がいらなくなる。

 

以下の数章では、人間関係と社会資本がもう一度取引の中心になったことで、他者との

信頼を築いたり維持するのがより簡単で、ほとんどの場合にはその信頼が崩れることなく

逆に強化されることをお見せしよう。

 

 

この続きは、次回に。

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