「人材不足攻略」 日経新聞-私のリーダー論より
日経新聞-私のリーダー論を読んで思ったのですが、「人材不足」が久しい中で「現場」と
「採用者」間に考え方のミスマッチがあるように思います。
下記の記事を参考に「私見」を掲載させていただきます。
日経新聞-私のリーダー論
日本マクドナルドHD サラ・カサノバCEO
Go! GEMBA 自ら現場へ
信頼回復へ 顧客の声を聞く
● CEOに就任したころは会社の業績は右肩下がり。
火中の栗を拾うのはどんな気持ちでしたか。
「就任が決まった時は心が躍りました。
確かに困難ではありますが、やりがいのある仕事だと思いました。」
● 何から手を着けたのですか。
「重要なのはお客様とのコミュニケーションです。
お客様の声を聞き、マクドナルドに何を望んでいるのか正しく理解することです。
同時に、フランチャイズのオーナーや各店舗の店長、現場のスタッフの意見にも耳を
傾けなければなりません。
時間の許す限り、各地の店舗に足を運び、お客様やスタッフと直接、対話することから
始めました。」
● イスにどかっと腰を下ろし司令塔に徹するのもCEOの役目では。
「確かにそれも重要かもしれません。しかし、マクドナルドのようなレストラン事業を
展開する会社にとっては、最も重要な場所はオフィスではなく現場、すなわち店舗です。
ビジネスは常に店舗から生まれ、問題を解決する場も店舗なのです。」
● 現場重視、対話重視のマネジメントスタイルは、どうやって学んだのですか。
「自分の当たり前が通じない世界でしたが、そういう時こそ、自分の当たり前や思い込みを
捨て、お客様や直接コミュニケーションをとることが大切だということを肌で学びました。」
失敗OK 社員を鼓舞
● 16年に売上高、利益とも反転し、17年には回復基調が鮮明になりました。
「いくらリーダーやマネジメントチームが素晴らしい計画を作っても、社員やスタッフが
その計画を支持し、一丸となって実行しなければ、計画は単なる紙切れにすぎません。」
「そこで次にしたことは、計画実行に向けチームの一体感を高めることでした。
16年、約四千人の社員、フランチャイズオーナー、店長、納入業者を一堂に集め、
新スローガン『パワー・オブ・ワン』を打ち出し、一体感強化のための様々な取り
組みを始めました。
これが結果的に、業績回復の最大要因になったと思います。」
● 理想のリーダー像を教えてください。
「リーダーはやはり、目標を立てて戦略を描くだけではなく、目標達成のためにチームを
まとめ上げ、チームの力を最大限引き出すことが大切だと思います。」
「具体的には、教育の場を用意して能力開発を応援し、キャリアアップの機会をつくり、
失敗を許容し、常に鼓舞し、士気を高めるこが大切です。」
「そうやって気持ちよく仕事ができれば、みんな、より一生懸命、仕事に取り組むように
なります。それができるかどうかが、よいリーダーと偉大なリーダーとの違いではないで
しょうか。」
総括
人材不足ということをよく耳にします。
高い求人費をかけて募集広告を出しても、思った程問い合わせは少なく、適した人材でも
なかったりなど、ミスマッチが多いように感じます。
また、折角採用してもすぐに辞めてしまう、という悩みもあります。
私の考えは、
① 多くの募集広告の中で自社を選んでいただき、「働きたい」と面接に伺う方は余程のことで
ない限り、採用すべきだと思います。
「多い求人募集の中で、自社を選んでいただき有難うございます。」という事です。
そして、
「具体的には、教育の場を用意して能力開発を応援し、キャリアアップの機会をつくり、
失敗を許容し、常に鼓舞し、士気を高めるこが大切です。」
というように、全社的に企業努力をした上で「本採用」の採否を決定してはと思います。
全社的企業努力とは、現場の責任者及びスタッフ、そしてエリアマネージャーやその上長、
人事部等々のライン全員で、採用者の研修、指導をするという事です。
② 「折角採用してもすぐに辞めてしまう。」要因を徹底的に調べるべきだと思います。
現場サイドで十分な研修もせず、即戦力を求めたり、セクハラ的言動が多かったり等々、
要因を徹底的に調べ、早めに対策をとるべきだと思います。
些細なところからほころびが出るような気がします。
「そうやって気持ちよく仕事ができれば、みんな、より一生懸命、仕事に取り組むように
なります。それができるかどうかが、よいリーダーと偉大なリーダーとの違いではない
でしょうか。」
このように、リーダーだからではなく、スタッフ達もこの「リーダー論」を参考に仕事に
望んでいただければ、自然と業績も上がり、待遇も良くなると思います。
また、このような考え方にそぐわない人は、「チーム」から除外すべきだと思います。
チームワークが乱れては、業績も上がらず、待遇も上がらず、仕事のできる人材程、
「より良いチーム探し」に専念すると思います。
人材不足で、企業存続や事業縮小もあり得る時代であればこそ、心して検討すべきだと
思います。
昔の言葉ですが、「強い気持ち」「負けず嫌い」「背中を見て覚える」「相手を蹴落とす」等々、
昔の当たり前が今は通用しない、ということを再認識して欲しいと思います。
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美