書籍「10年後の自分」を考える技術 ㉔
✔ 自分の「立ち位置」を決める
第2章で説明したように、発散型で未来を広く捉えたら、つぎにやるべきことは
「自分の立ち位置を決める」ことだ。
「立ち位置」のことを経営用語では「ポジショニング」と言うが、要は
「自分がどうしたいか」「どうするか」を決めることだと思ってほしい。
第1章、第2章で説明してきたことは、経営学的にいえば「外部環境」の分析になる。
自分の置かれている状況を時代背景や家庭環境までも含めて客観的に捉えたら、
今度は強い意思を込めて主観的に、自分の進むべき道を選択する—–
それが、「立ち位置」を決めるということだ。
誤解してほしくないのは、「常に最悪のケースを考えろ」と言いたい
わけではない、ということだ。
シナリオ・プランニングは、けっして「最悪のケース」を考えるための
ツールではない。
くり返し言っているように、良いケースも悪いケースもぜんぶ含めて
「未来の幅」を考えることがいちばん重要なのである。
そして、その幅を視野に入れつつ、主体的に「自分はこう思う!」という
未来を選び取って、その未来のために具体的に行動していくのだ。
最終章となったこの第3章では、この本を手に取った若い人が昨日まで
の
自分から脱却し、思考だけで終わらせず、実際に「一歩を踏み出す」ことが
できるようになるための考え方を述べていきたいと思う。
具体的には、
1.「先読み力」を強化し、課題を見つける方法
2.不確実な状況での、意思決定の考え方
3.行動力を上げるための具体的計画手法
の3つについて、話していきたい。
✔ 4つのシナリオの「意味」を考えてみる
まず、ひとつ目の「『先読み力』を強化し、課題を見つける方法」について
話をしよう。
自分の立ち位置を決めるためには、まずシナリオ作成で見えてきた
「未来の幅」について、突っ込んで考えていく必要がある。
※ 省略致します。
<何をすべきか>
● 経済負担が大きいから、しっかり貯蓄をしておく
● 手伝ってくれる第三者(兄弟や親戚や施設・公的機関など)の目星をつけておく
● 仕事の柔軟性を確保する(場合によっては転職や独立も視野に入れる)
※ 省略致します。
<何をすべきか>
● 親を呼び寄せることを前提とした住居プランニング(二世帯住宅など)を立てる
● 一度トライアルとして、2週間〜1ヵ月ほど、親と一緒に住んでみる
● 親(そして妻)の意思・意向を確認する(何年もかけて説得する、など)
● 「実家をどうするか?」のプランニング(持ち続ける、売る、貸す、など)
※ 省略致します。
<何をすべきか>
● 往復生活のシミュレーション(交通費、現実的かどうか、など)
● 自分が家にいない(実家に帰っている)時の家族ケア・プランニング
● 会社の福利厚生制度、労働環境などを確認する
※ 省略致します。
<何をすべきか>
● 場当たり的にならない出産・子育て計画
● 将来の引っ越しを前提とした住居プランニング
● 最低限の貯蓄
この続きは、次回に。