「D・カーネギー 人を動かす」⑰
7. 期待をかける
● ボールドウィン汽車製造会社のサミュエル・ヴォークレーン社長はこう言う—-
「どこかいいところを見つけて、それに敬意を表してやると、たいていの者は
こちらの思いどおりについてくる」
要するに、相手をある点について矯正したいと思えば、その点について
彼はすでに人よりも長じていると言ってやることだ。
「徳はなくても、徳あるこどくふるまえ」とはシェイクスピアの言葉だ。
相手に美点を発揮させたければ、彼がその美点を備えていることにして、
公然とそのように扱ってやるがよい。良い評判を立ててやると、その
人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう。
【人を変える原則⑦】
期待をかける。
8. 激励する
● 子供や夫や従業員を、馬鹿だとか、能なしだとか、才能がないとか
言ってののしるのは、向上心の芽を摘み取ってしまうことになる。
その逆をいくのだ。大いに元気づけて、やりさえすれば容易にやれると
思い込ませ、そして、相手の能力をこちらは信じているのだと知らせて
やるのだ。そうすれば相手は、自分の優秀さを示そうと懸命に頑張る。
【人を変える原則⑧】
激励して、能力に自信を持たせる。
9. 喜んで協力させる
● 人を変える必要が生じた場合、次の事項を考えて見るべきだ。
一、誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の
利益だけを考えよ。
二、相手に期待する協力は何か、明確に把握せよ。
三、相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
四、あなたに協力すれば相手にどんな利益があるか?
五、望みどおりの利益を相手に与えよ。
六、人に物を頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づく
ように話せ。
これで、必ず相手から良い反応が期待できると考えるのは、やや単純
すぎる。
だが、少なくともこの原則を応用しなかった場合にくらべると、相手を
変える可能性は高くなる。これは、大勢の人が経験している。
もし、わずか十パーセントでも成功の確率を高めたとしたら、十パー
セントだけ人を変える能力を高め得たことになる。そして、これこそ、
その努力がもたらす〝利益〟なのである。
【人を変える原則⑨】
喜んで協力させる。
訳者あとがき
※ 省略致します。
【総括】
いかがでしたでしょうか。
私は、非常に勉強になりました。
私生活や仕事-ビジネスでの会話をこのように考えたことは、これまでに
ありませんでした。
現在、パワハラ、セクハラ、モラハラ等々の問題がたくさんありますが、
この書籍-人を動かす-を読み、実行、垂範されるならば、自然とこのような
問題は起こらないだろうと思いました。
・「社員の教育に当たり、彼は新聞、雑誌、裁判記録をはじめ、心理学書、
哲学書、その他、人間関係の問題に関連する書物を片っ端すら調べ上げ、
助手を使って、一年半にわたる資料集めを行った。また、マルコニー、
フランクリン・D・ルーズヴェルト、クラーク・ゲイブルなど、各界の
名士を大勢訪ねて、直接にその談話を集めることもやった」
・「本書は、一朝一夕に頭だけで書かれたものではない。十五年にわたる
カーネギーの指導の現場から生まれてきたもので、著書の説は、すべて
実験済みのものばかりなのである」
書籍の中では、心理学者や哲学者、大統領を歴任した人物などのこれまでに
残したいろいろな名言で出てまいります。
現在にも十分に心に沁み渡る名言だと感じました。
今回は、私が気に入った文面をピックアップしてご紹介しております。
もっと詳細をご紹介したいと思いましたが、限られた時間でのご紹介と
なりました。宜しかったら、是非、ご購読いただきご自身でいろいろと
感じていただければ幸いです。
2020.11.9
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
次回は、「リテールマーケティング」について、ご紹介致します。