リテールマーケティング ②
1. 小売販売額の動向(2018年度)
小売業業種別寄与度の推移(前年比・前年同期比)にて、データを分析
しましょう。
例えば、
2018年の小売業販売額は、前年比1.7%増の144兆9,650億円で、2年連続の
増加となった。主な要因は次の通りである。
一、燃料小売業が、ガソリンなどの石油製品価格が上昇したことなどにより
増加した。
二、飲食料品小売業が、農産品の相場高に加え、総菜に動きがみられたこと
などにより増加した。
三、医薬品・化粧品小売業が、化粧品が好調だったことなどにより増加した。
四、機械器具小売業が、生活家電が好調だったことなどにより増加した。
2. 店舗形態別小売業の年間販売額の動向(2018年度)
① 百貨店
「百貨店の商品別販売額の推移(前年比・前年同期比)」にて、データを
分析しましょう。
例えば、
百貨店は、前年比▲1.7%の6兆4,434億円と3年連続の減少となった。
これは、化粧品や高額商品が好調だったものの、閉店の影響に加え、
天候不順により主力の衣料品を中心に低調だったことなどによる。
商品別にみると、次のとおりである。
一、衣料品(婦人・子供服・洋品など)が天候不順や閉店の影響などにより、
身の回り品(靴・鞄など)を除くすべての商品で減少した。
二、飲食料品は、地方物産展などの催事による集客効果が見られたものの、
閉店の影響により減少した。
三、その他の商品(化粧品・時計など)は、化粧品が国内需要、訪日外国人
旅行者(インバウンド)需要ともに好調だったことに加え、高級腕時計や
宝飾品などの高額商品に動きがみられたことなどにより増加した。
② スーパー
「スーパーの商品別販売額の推移(前年比・前年同期比)」にて、データを
分析しましょう。
例えば、
スーパーは、前年比0.9%増の13兆1,609億円と8年連続の増加となった。
これは、天候不順の影響や専門店、ネット通販との競合により衣料品、
家具、家庭用品などが低調だったものの、新規出店や改装の効果に加え、
総菜や飲料を中心に、主力の飲食料品が堅調だったことなどによる。
商品別にみると、次の通りである。
一、衣料品は、天候不順の影響や専門店、ネット通販との競合による
減少などから、婦人服などすべての商品で減少した。
二、飲食料品は、総菜、飲料などが堅調だったことに加え、夏以降の
野菜の相場高などの影響により増加した。
三、その他は、化粧品などに動きがみられたものの、専門店、ネット通販との
競合による減少のなかで天候不順の影響などもあり減少した。
【堅調とは】
堅実な調子であること。また、そのさま。
「売上げが堅調な足どりで伸びる」
③ コンビニエンスストア
「コンビニエンスストアの商品販売額及びサービス売上高と店舗数の
推移(前年比・前年同期比)」にて、データを分析しましょう。
例えば、
コンビニエンスストアの商品販売額およびサービス売上高の合計は、
ファーストフードおよび日配食品などが好調だったことなどから、
前年比2.0%増の11兆9,780億円と20年連続の増加となった。
商品別にみると、次のとおりである。
一、ファーストフードおよび日配食品は、総菜、調理麺、おにぎりなどが
好調だったことにより、同6%増と9年連続で増加した。
二、加工食品は、冷凍食品、ソフトドリンク、アイスクリームなどが好調
だったことにより、同9%増と、こちらも9年連続で増加した。
三、非食品は、たばこ関連商品などが好調だったことにより、同4%増と
20年連続の増加となった。
また、サービス売上高は、各種チケットの取り扱い増やプリペイドカード
などが好調だったことにより、同0.9%増と12年連続となった。
店舗数は、2018年12月末で5万6,574店であり、前年末に比べ200店増加
(前年末比0.4%増)した。
この続きは、次回に。