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リテールマーケティング  ㊵

④ 販売員のためのセルフケア手法

 

快適でストレスが少なく、かつ、生産性の高い職場環境話つくるために、

小売業は、企業全体で組織風土や業務プロセスの改善に取り組む必要がある。

一方で、従業員一人ひとりが自分の心のコンディションに目を配り、それを

良好に保つ為に何をすべきかを考えて実践していくことも不可欠である。

ここでは、小売業の従業員個人が日常的にできるストレスへの対処法

(セルフケア)として、睡眠のとり方とストレスをため込まないための工夫に

ついてポイントを述べる。

 

1. 毎日の睡眠を大切にする

 

(1) 睡眠の重要性

 

睡眠は、心身の健康を守るうえで極めて大切な役割を果たしている。

量的にも、質的にも、十分な睡眠がとれたときの気持ちよさは一日の活力に

つながる。逆に、睡眠不足の状態が続くと思考力や集中力が鈍って気分も

イライラし、仕事の能率も低下してしまう。

ストレスに対するセルフケアの基本は、毎日の睡眠を大切にするという

人である。日々の睡眠を十分にとることを心がけ、それを自身の生活ス

タイルとして習慣化する。それが、ストレスに負けない体づくりの基礎に

なる。

睡眠不足が続くと、“体”に対しては倦怠感、食欲低下、胃腸障害、免疫力の

低下、肌荒れなどをもたらす。高血圧、心臓病、脳卒中など生活習慣病の

リスクを高めることもある。また、“心”に対しては、イライラ感、思考力の

低下、注意力の散漫をもたらす。さらには、不安障害、うつ病の危険性を

高めることもある。

 

(2) 睡眠の質を高めて適切な睡眠時間を確保する

 

適切な睡眠時間には、ある程度の個人差や年齢差がある。一般の社会人に

ついていえば、およそ5時間〜8時間程度(平均)であるといわれる。

一方、時間的に問題はなくても睡眠が浅く、夜中に何度か目が覚めてしまい、

朝になっても熟睡感に乏しいということも珍しくない。

睡眠が浅くなる原因はさまざまなであるが、ちょっとした工夫で睡眠の質を

高める事は十分可能である。

 

表4-1 快適な睡眠のための7箇条

 

1. 快適な睡眠でいきいき健康生活

 

・快適な睡眠で、疲労回復・ストレス解消・事故防止

・睡眠に問題があると、高血圧、心臓病、脳卒中など生活習慣病のリスクが上昇

・快適な睡眠をもたらす生活習慣

   〜定期的な運動習慣は熟睡をもたらす

   〜朝食は心と体のめざめに重要、夜食はごく軽く

 

2. 睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター

 

・自分に合った睡眠時間があり、8時間にこだわらない

・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

・年齢を重ねると睡眠時間は短くなるのが普通

 

3. 快適な睡眠は、自ら創り出す

 

・夕食後のカフェイン摂取は寝付きを悪くする。

・「睡眠薬代わりの寝酒」は、睡眠の質を悪くする。

・不快な音や光を防ぐ環境づくり、自分に合った寝具の工夫。

 

4. 眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭から

 さえさせる

 

・軽い読書、音楽、香り、ストレッチなどでリラックス

・自然に眠くなってから寝床に就く、眠ろうと意気込むとかえって逆効果。

・ぬるめの入浴で寝付き良く

 

5. 目が覚めたら日光を採り入れて、体内時計をスイッチオン

 

・同じ時刻に毎日起床

・早起きが早寝に通じる

・休日に遅くまで寝床で過ごすと、翌日の朝がつらくなる。

 

6. 午後の眠気をやりすごす

 

・短い昼寝でリフレッシュ、昼寝をするなら午後3時前から20〜30分。

・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

・長い昼寝はかえってぼんやりのもと。

 

7. 睡眠障害は、専門家に相談

 

・睡眠障害は、「体や心の病気」のサインのことがある。

・寝付けない、熟睡感がない、充分眠っても日中の眠気が強い時は要注意。

・睡眠中の激しいいびき、足のむずむず感、歯ぎしりも要注意。

 

出所:「健康づくりのための睡眠指針検討会報告書」厚生労働省

 

 

この続きは、次回に。

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