リテールマーケティング ㊿-9
⑤ 販売価格の基本用語
・値ごろ価格(Reasonable price)
顧客の多くが、購買目的や使用条件から考えて、「その商品(用途、機能、
品質、性能など)が、その価格なら購入しても妥当」と思える価格を指す。
カテゴリー(品種)ごとに最も多く売れている商品のプライスラインが、
結果として値ごろ価格となる。
・プライスゾーン(価格帯)
カテゴリー(品種)ごとに取り扱う品目に設定する最も高い価格と最も低い
価格との幅を指す。
顧客ターゲットを絞り込みたい場合にはプライスゾーンを狭め、逆に広く
設定する場合には広めにする。
あまり広くしすぎると商品グレードがばらつき、的に絞りにくくなる。
商品計画において関連する商品間のバランスをみるには、プライスゾーンを
比較することが有効となる。
・プライスライン
カテゴリー(品種)ごとに設定した1つひとつの商品(品目)の価格を指す。
同一品種においてプライスラインが多すぎると価格差(=商品差)が小さく
なり、顧客は比較購買しにくい。反対に少なすぎると商品のグレードが
限られて、商品の選択肢が狭まる。
100円均一のように、カテゴリー(品種)ごとのプライスラインが少ない
場合には、商品の種類を増やし、同一品種で品ぞろえを広げるには、
プライスラインをある程度増やして商品グレードなどのバリエーションを
増やす。
・プライスポイント
いくつかあるプライスラインのなかで、最も販売数量の多いプライス
ラインを指す。カテゴリー(品種)のなかでよく売れるプライスラインを
把握することは重要である。しかし、売上高や粗利益高により貢献度まで
含めて、どのプライスラインがどのような役割を果たしているのか、と
いう全体像を把握することも必要である。
・ポピュラープライス(Popular price)
ポピュラーとは、「人気がある」という意味で、ポピュラープライスとは、
大多数の顧客が気軽に買える価格帯を指す。また、このポピュラープラ
イスよりもやや上の価格帯(多数の顧客がその価格なら手の届く価格帯)を
モデレートプライス、さらにその上の価格帯(大多数の顧客にとって日常の
用途としては買わない高い価格帯)をベタープライスという。
□ モデレートプライス
デパートや専門店の価格帯で、比較的買いやすい価格帯を指す。
ポピュラープライス→モデレートプライス→ベタープライス→
ベストプライスと分類され、後者ほど高い価格帯を指す。2020/09/10
この続きは、次回に。