Coffee Blake-令和3年7月28日(水) 「小さな飲食店」情報 ②
【飲食店】
テナント出店と路面店との違いと
メリット・デメリットの比較
飲食店の開業時、最初に行うことは店舗の物件探しであり、それと同時に
考えるのが出店場所です。全く物件の検討が付いていない状態では、道路に
面した路面店が良いか、ビルやショッピングモールに出店するテナント店が
良いかと悩む飲食店経営者も多いでしょう。
また、開業資金の都合で決め兼ねてしまうケースもあるかもしれません。
テナント出店と路面店では、どちらも長短の両面を持ち合わせています。
それぞれの飲食店のコンセプトや理想像によって選択した方がよい場所も
変わってくるでしょう。
そこで本記事では、テナント出店と路面店の違いとメリット・デメリットを
詳しく比較し解説してまいります。開店や移転をお考えの飲食店経営者様は
是非参考にしていただけたら幸いです。
● テナント出店とは
テナントというのはビル、百貨店、ショッピングセンターといった商業
施設に出店する事業者を指します。そのような施設の中の貸店舗にお店を
出すことを「テナント出店」と呼びます。
一般的に知られているショッピングセンターに出店しているチェーン店を
イメージされる方も多いでしょう。他にも駅直結型などの飲食店も多く、
天候に左右されずにある程度は安定した集客が見込める立地条件であると
いえます。
● 路面店への出店
「路面店」とは、文字通り街中や道路沿いなど、通りに面した店舗のことを
指します。特に都市部の大通りの路面店は、チェーン展開している店舗や
ブランド力のある有名店が多く見かけます。
道路に面しているためお客様は気軽に出入りしやすいのも特徴です。
路面店への出店は、人通りがいかに多くても、ターゲット層が通行して
いなければ、意味がありません。路面店はエリア選び、立地選定が重要と
なります。また、飲食店における路面店への出店は人気が高いため、賃料が
高くなりがちです。中には同じ物件であっても2階や地下1階と比較して
賃料が2倍以上するケースもあるようです。
● テナント出店と路面店の違いとは
同じ飲食店を営むにあたっても、テナント出店と路面店では様々な面で
違いがあります。出店場所だけではない両店舗の違いを確認していきま
しょう。
① 経営方針が異なる
飲食店経営者が自ら空き店舗物件を探し、賃貸契約を行った上で店舗運営を
行っていく「路面店」の場合は、経営者が自ら営業方針や営業時間を
決めることが出来るため、比較的、自由に経営を行うことができます。
フランチャイズ店や系列店等でない限りは、報告書などの提出義務も
発生せず、経営方針に口を挟まれることはありません。
一方、ショッピングモールのような商業施設に入居する「テナント店」の
場合は、営業方針はショッピングモールの規定に従わなければいけません。
営業時間も施設の定めに沿い、照明等の明るさなど、他店舗と足並みを
揃えたり、イメージを損なわないため規定が詳細に決定されているケースも
あります。また、賃料計算のための売上実績報告やトラブル時の報告書
などの提出が求められることが多いため、自由度は低くなることが予想
されます。
② 賃料の算出方法、発生状況が異なる
「路面店」の場合には、斡旋と管理は不動産会社を通して行われ、固定
された家賃となる賃料を毎月、不動産会社に支払います。
そのため、売り上げから家賃と経費を差し引いた残りはすべて店舗の利益と
なります。当然、経営者が保有している不動産物件を店舗として営業して
いる場合は、賃料負担を少なく(またはゼロ)設定することができます。
これに対し「テナント店」の場合では、賃料は運営会社によって規定されて
おり、一般的には固定された家賃ではなく、月次売上に設定利率をかけた
金額を請求されることが多くなっています。また、たとえ売り上げのない
月でも賃料がゼロになるわけではなく、「最低保障売上額」が設定されて
います。つまり、テナント店では売り上げを出しやすい環境を提供して
もらうことに対し、売り上げがアップするとその分、賃料も上がるという
仕組みになっています。
③ プロモーションの方法が異なる
これは、後述する両者のメリット・デメリットで詳しく解説いたしますが、
プロモーション方法(宣伝・PR)が異なります。
「路面店」におけるプロモーションは、店舗が自主的に行う必要があり、
集客対策に関わるマーケティング戦略は全て飲食店経営者が自ら決定し
実行していかなければいけません。
片や大型商業施設に入居する「テナント店」の場合は、運営会社自体が
マーケティングを行っており、各種媒体のメディアへのプロモーションを
実施している場合がほとんどです。独自に宣伝をしなくても、ある程度は
知名度が保障されているといえるでしょう。
この続きは、次回に。