Coffee Blake-令和3年7月29日(木) 「小さな飲食店」情報 ③
テナント出店のメリット・デメリット
初めに「テナント出店」のメリットとデメリットを確認してみましょう。
● メリット
① プロモーションを行ってもらえる(広告費を抑えられる)
テナント店の1番のメリットといえるのが、プロモーション活動を商業
施設の運営側が行ってくれる点です。ショッピングモール等の大型商業
施設の場合は、テレビ、ラジオ、チラシ広告、インターネットなどの
メディアでプロモーションを実施していますので、店舗側で一から集客の
ための対策や手間をかけるという負担を減らすことができます。
また、店舗自体の広告費や販促費などが節約できるというメリットにも
つなげられるでしょう。
② 知名度が保証される(集客力がある)
これは①のプロモーションを施設側で行ってもらえることに共通しますが、
大型商業施設に入居している場合はその施設自体に知名度がありますので、
ある程度は知名度が保証された状態で店舗運営をしていくことができます。
その代表的な例が、大型商業施設で買い物をした顧客がそのまま飲食店に
入店するようなケースです。
③ 運営本部のサポートが受けられることも
下掲のデメリットの中に含まれる「契約解除の場合がある」という項目と
リンクしてきますが、何らかのトラブルが発生した場合には運営側への
報告義務が必須となります。一見、面倒だと感じるかもしれませんが、
大型商業施設にはカスタマーセンターのような、クレームやトラブル処理を
する窓口や専門部署があります。報告をすることによって、的確な解決へと
導くサポートを受けることができますので、これはメリットにあたる
部分となるでしょう。
④ コスト削減ができる
交通アクセスを考慮した駐車スペースの完備や、駐車パーキングとの
提携などを自ら行う必要がありません。そのため、維持・管理費用も
すべて賃料に含まれるという意味ではコスト削減につながります。
● デメリット
① 自由度が限られる
テナント店の場合は、営業時間を自らの意志で決めることが基本的には
できません。入店している商業施設の定めに沿った営業時間を設定する
こととなります。また、内装や外装などの自由度が低く、個性的過ぎる
デザイン等のアレンジは制限されます。施設が定めた規制を守りながら、
店舗の独自色を打ち出していくことが求められます。
② 契約を解除されてしまう可能性がある
商業施設に入居するテナント店として、施設全体の評判やイメージダウンに
つながるような、顧客からのクレームやトラブルが発生した場合は、
運営本部への正確な報告が必要となります。場合によってはテナント契約を
解除されてしまうケースもあるので対処には注意しなければいけません。
③ 出店のハードルが上がる
大型商業施設への出店となると、ハードルは路面店より高くなります。
理由は、実績や業績も評価された上で出店許可を得られる場合が多いため、
初めて開業される飲食店は難しいかもしれません。逆に、既存店として
評判が高い場合は、運営側から声がかかることもあるようです。
④ 競合店が近くに位置する可能性がある
テナント出店の場合は、出店する業種がかぶってしまうこともあり、
顧客や売り上げが分散されてしまうことを懸念する飲食店経営者も
いらっしゃるでしょう。一方で、大型商業施設の場合は、ジャンルに
偏りが出ないように施設側が調整していることが多くなっています。
しかし、ライバル店が全く無いというわけではないので、集客という
意味では、ジャンルの異なる飲食店も競合店になることを意識しなければ
いけません。
この続きは、次回に。