実践するドラッカー[思考編] ④
A lesson from P.F.Drucker
∵ 知識は、成果の原動力
知識とは、個人や組織が何らかの成果をもたらすような行動を
可能にし、何かあるいは誰かを変えるものである。
知識とは何かを変えるものであることを認識するだけでも、
何かが変わっていく。
『「新訳」新しい現実』—-p.285
図書館にある本をすべて記憶しても、それだけでは成果をあげられません。
単なる情報の集まりにすぎないからです。頭の中にある情報を人前で話す、
文章にして伝える、といった行動が誰かに伝わり、評価されて情報は知識と
なり、価値を生むのです。
ドラッカー教授は、知識は電気のような一種のエネルギーだといいます。
使われるときになって、その存在がわかるのです。
そこで問題となるのは、エネルギーの量と燃焼効率です。どんな分野の
知識がどれくらいあるか、その知識をいかに効果的に行動に結びつけら
れるか、ということです。
ドラッカー教授は、知識を成果に結びつける行動を「成果をあげる能力」と
呼び、『経営者の条件』で五つ挙げています。
① 時間を管理すること
② 貢献に焦点を合わせること
③ 強みを生かすこと
④ 重要なことに集中すること
⑤ 成果をあげる意思決定をすること
一枚の企画書からヒット商品が生まれる、忌憚のないアドバイスが誰かの
人生を変える——知識が何かを変え、ささやかな成果や大きな成果を
生み出します。
知識はもちろん、社会、ひいては文明の発展は、ひとえに私たち一人
ひとりの知識の蓄積と活用にかかっているのです。
この続きは、次回に。