Coffee Blake-令和3年10月18日(月)「安心の設計-年金」
本日の読売新聞「安心の設計-衆院選2021 社会保障の課題/上」に興味ある記事が
掲載されておりました。
10月31日は、衆院選の投開票日となります。
若い時に比べると、年齢を経るごとに投票に行っている私ですが、投票率が随分
低いようですね。
投票率が高ければ、〝国政に、何が起こるかわからない〟との事です。
現状に満足されている方は、〝現状維持〟で、現状に満足していない方は、是非、
投票に行かれてみてはいかがでしょうか。
① 年金 ② 働き方 ③ 貧困 について、記事内容をご紹介致します。
「衆院選2021」のご参考にされては、いかがでしょうか
2021.10.18
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
読売新聞 安心の設計
—年金—「基礎年金のみ」5万円未満半数
Q 生活保護の高齢者が90万世帯を超え、増加傾向だが、年金で生活できないの?
A 公的年金「土台」とされ、国内の20〜59歳の全員が加入する国民年金(基礎
年金)の受給額は月額約6万5000円。これは20歳から40年間、加入した場合の
満額だ。
保険料(自営業者は今年度、月額約1万6600円)を納めない期間などに応じて減額
され、通算10年加入しないと受け取れない。基礎年金のみの人の2019年度末時点の
平均受給額は約5万1000円で、5万円未満の人が半数近くを占める。
厚生年金の対象の会社員や公務員の受給額は基礎年金に、給与に応じて決まる
保険料(給与の18.3%、労使折半)の支払期間を反映した分(報酬比例部分)が上乗せ
され、平均約15万円だ。元々、公的年金だけで生活できるよう設計されていないが、
基礎年金だけの自営業者やパートなどの短時間労働者らの老後は、厳しいと感じる
人が多いのではないか。
Q 将来、受給額がさらに目減りするというのは本当?
A 公的年金には、少子高齢化の動向に応じて給付水準や調整する仕組みがある。
マクロ経済スライドという仕組みで国は制度の維持は可能としているが、物価や
賃金ほど受給額は伸びず、実質的な価値は目減りする見込みだ。
年金の価値は、現役世代の平均賃金の何%分に相当するか(所得代替率)で説明
される。基礎年金満額1人分をみると、今は18.2%だが、厚生労働省の試算では
46年度には13.2%に低下する。公的年金制度は維持できても、老後の生活が困難に
なる人がさらに増える懸念がある。
財源の説明に注目
Q 国の対策は?
A 国は原則65歳の受給開始を来年4月から、希望すれば75歳まで繰り下げ、受給額を
月額で最大84%増やせるようにした。高齢者の就労拡大がセットとなる。
厚生年金に入れるパート従業員を増やすため、加入対象を段階的に拡大することも
決めたが、抜本的な対策とは言いがたい。
厚労省では財政状況が脆弱とされる基礎年金に、厚生年金から資金を拠出し、
基礎年金の価値低下を緩和する対策も検討している。低年金の問題を放置すれば、
生活保護を受ける高齢者がさらに増える懸念があるためだ。
ただ、老後の生活資金となる基礎年金の給付水準を高めようとするならば、財源の
2分の1を賄う国庫負担を増やすことも併せて必要になる。
税収を高める手段を検討することは避けられないだろう。年金を巡る衆院選の
政策論争では、財源についてもきちんと説明しているかどうか、注目していきたい。
(野島正徳)
● 老後の暮らしは大丈夫?
基礎年金(月額)
7万円以上 48万人
6万〜7万円 140万人
5万〜6万円 115万人
平均 5万764円
4万〜5万円 105万人
3万〜4万円 115万人
3万円未満 48万人 ○ 5万円未満が約半数➡️基礎年金のみ受給571万人
※ 2019年度末時点、繰り上げ受給などで満額の6万5000円を上回る場合がある。
□ 生活保護世帯の56%が高齢者世帯(多くが単身) ※7月(概要)
□ 厚生労働省への取材をもとに作成
● マクロ経済スライド
マクロ経済スライドとは、そのときの社会情勢(現役人口の減少や平均余命の
伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。
● 脆弱
もろくて弱いこと。また、そのさま。「脆弱な地盤」「脆弱な神経」
● 拠出
金品を出し合うこと。「災害の見舞金を―する」
[補説]「拠出」は当て字。
● 緩和
厳しさや激しさの程度を和らげること。また、和らぐこと。
「制限を緩和する」「混雑が緩和する」
次回は、「働き方」をご紹介致します。