Coffee Blake-令和3年10月19日(火)「安心の設計-働き方」
—働き方—フリーランス安全網整備を
Q 友人がフリーランスの仕事を始めたけれど、どのような働き方なのか?
A フリーランスとは、特定の会社や団体に所属せず、自分の経験や知識、
スキルを使って、個人で仕事を請け負う人のことだ。
会社員が勤務時間外に、個人的に副業をするケースを指すこともある。
内閣官房が2020年2〜3月に実施した調査によると、国内に462万人いると
試算されている。新型コロナウイルスの影響で、増加しているとみられて
いる。感染対策にもつながるテレワークの普及で、場所にとらわれずに
仕事ができるようになり、都市部にいながら、地方の仕事を請け負える
ようになった。
スマートフォンを使って単発の仕事を見つける「ギグワーカー」も増えて
いる。
Q 会社で働くのと何が違うのだろう?
A 個人で仕事を請け負うので、仕事がなければ収入はない。
仕事の量によって収入が変わるので、会社員と比べると不安定だと言える。
「労働者」としての保護が受けられる点にも注意が必要だ。
雇用保険に入れないから、仕事がなくても失業給付は受けられない。
芸能従事者やITエンジニアリングといった一部の業種には対象が拡大され
たが、労災保険も基本的にはない。厚生年金に加入できないため、将来の
年金額も少なくなってしまう。
コロナ禍で職を失い、やむを得ずフリーランスとして働く人もいるので、
セーフティーネットの整備にどう取り組んでいくのかが課題だ。
最低賃金のあり方—
Q 最低賃金が大幅に引き上げられたそうだけれど、暮らしは楽になる?
A 今年度の最低賃金は全国平均で時給930円。前年度より28円引き上げられ、
過去最大の上げ幅となった。ただ、政府が掲げる「全国平均1000円」の
目標には至っていない。
1000円でも不十分だという声も出ている。1日8時間で25日働いたとしても、
月収は20万円、年収240万円にすぎない。家賃や光熱水費、食費、生活費を
払うと、残るお金は限られる。家計に余裕がなければ、結婚して子どもを
育てる選択もしづらくなる。
一方で、人件費が大きくなると、企業の経営を圧迫するため、最低賃金の
引き上げに反対する意見も根強い。長期的な視点で議論を深めることが
求められる。(本田克樹)
● フリーランスのイメージ
・会社↔️雇用関係
↕️
労働者→・労働法で保護される
・厚生年金に加入できる(一部パートを除く)
・仕事先↔️雇用契約はない=労働者ではない
↕️
フリーランス→・雇用保険、厚生年金に入れない
・基本的に労災保険はない(一部、特別加入制度あり)
・最低賃金は適用されず
次回は、「貧困」について。