実践するドラッカー[行動編] ⑦
A lesson from P.F.Drucker
∵非生産的な活動を排除する
次にくる一歩は体系的な時間の管理である。時間を浪費する非生産的な
活動を見つけ、排除していくことである。(中略)
すべての仕事について、まったくしなかったならば何が起こるかを考える。
何も起こらないが答えであるならば、その仕事は直ちにやめるべきだ。
『経営者の条件』—-p.58
非生産的な活動は、注意深く探さなければ発見できません。
意識して、廃棄すべき対象を見つけることです。
かろうじて成果は出ているものの、もはや生産的ではなくなった活動が、
どこかに隠れていませんか。
大切なのは、順位です。順位には「優先順位」と「劣後順位」があり、
これらをもとに、機械的に決定することがポイントです。
例えば、毎年二割、これまでの仕事を必ず廃棄すると決めて、ふるいに
かけるのです。
廃棄こそ、時間管理の唯一の手段です。
・その活動は、成果を生んでいるか
・その活動は、効率がよいか
・その活動は、惰性ではないか
・その活動は、重要なものか
やめることは、未来をつくるうえで不可欠です。
日々の状況に流されて、何が重要かの判断を間違えることのないように
注意してください。
A lesson from P.F.Drucker
∵仕事を人に任せる
重要なことに取り組めるようになるには、ほかの人にできることはほかの
人にやってもらうしかない。
『経営者の条件』—p.60
成果をあげる人は、仕事を人に任せることが得意です。
部下や同僚にどんどん仕事を渡します。
ポイントは、次の二点を振り返ることです。
・その活動は、本当に自分がやらなければならないか
・その活動は、三年前と同じではないか
そうしてできた貴重な時間を、いま以上に重要な、価値あることに使い
ます。例えば、将来の構想を練る、クレーム活用の仕組みを考える、
新しいビジネス機会を探すなどです。業績のよい組織はたいてい新人を
継続して採用し、任せる人材を確保しているものです。
三年前と同じ仕事をしているようでは、たいした成果は期待できません。
仕事を任せることで時間ができ、挑戦の機会が増え、成長が促され、
組織の成果もあがる。
そんな好循環を目指すためにも、まず、自分に問いかけることから始め
ましょう。
この続きは、次回に。