お問い合せ

Coffee Blake-令和3年11月7日(日)「ここ30年間、年収横ばい」

令和3年11月1日、衆院選の結果が確定致しました。

今後は、新型コロナウイルス収束に向けていろいろな施策を期待したいと

思います。また、少しでも早く、経済活動が以前のように戻っていただけ

れば良いのですが。

さて、「ここ30年間、年収が横ばい」との記事を拝見し、私が満36歳

以降、平均年収が上がっていないことを聞き、愕然と致しました。

上がっていない理由は、いろいろあると思いますが、私自身のこれまでの

経験では実感がありません。

〝バブル崩壊〟〝リーマンショック〟等々、経済の流れは都度変化して

きましたが、それを乗り越え現在に至っていると思います。

また、今の若い世代の方々は、〝バブル〟等、景気の良い話や景気の

実体験がないため、大変、〝可哀想である〟と思います。

ましてや、年収までもがそんなに上がっていないと言うのであれば〝結婚〟

〝子供を持つ〟ことすら難しいのは当然ではないでしょうか。

〝少子問題〟の一つの理由にもなるのではないかと思います。

それでは、「データが問う 衆院選の争点」をご紹介致します。

衆院選での公約実現を期待致しましょう。

 

2021.11.7

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

データが問う 衆院選の争点

 

衆院選(31日投開票)に向けた論戦が本格的に始まった。

経済政策での重要な論点は成長と格差是正のどちらに軸足を置くかだ。

与野党は生まれた富をいかに「分配」するかを公約で競うが、日本の

平均年収は横ばいが続く。

格差よりも、まずは低成長を抜け出し、分配のためのパイを拡大する

ほうが優先度が高い。

分配ルートの一つが富める者から富の移転だ。

日本は米英に比べて富や所得の偏在が小さい。経済協力開発機(OECD)の

データでみると、上位1%の世帯が所有する資産は国内全体の11%にとど

まる。厚生労働省によると所得1000万円以上の世帯は2018年時点で全体の

12%で、1996年のピーク(19%)から7ポイント低下した。

富裕層への増税を財源に分配政策へ傾く米国は、上位1%の富裕層が

資産の40%を握る。

一部の経営者や投資家が巨額の報酬を受け取ることで格差が広がってきた

ためだ。

象徴例がIT産業が急成長を遂げたカリフォルニア州のシリコンバレーだ。

世帯収入(中央値)は約15万ドル(約1700万円)。

家賃高騰で年収1000万円でも中心部で暮らせない世帯が続出する一方、

同州のホームレスは07年比で16%増えた。

数字が1に近づくほど所得格差が深刻であることを示すジニ係数でみても、

日本は米英より小さい。アベノミクスで格差が拡大したとの見方もあるが、

2010年代は小幅改善した。

総務省は「子育て世帯の雇用環境の改善や、足元での高齢者の所得増が

背景にある」と分析する。19年の就業者数は10年前比で約400万人増え、

中でも65歳以上の高齢者や女性の雇用が拡大した。

こうした経済的格差のデータが示すのは、富裕層も含めた国民全体の

生活水準が地盤沈下する日本の実態だ。

OECDがまとめた年間賃金データを各国別に比べると日本は30年間ほぼ

横ばいだ。購買力平価ベース(20年米ドル換算)の実質系列で30年前に

比べると、日本は4%増の3.9万ドル(440万円)どまりだったのに対し、

米国は48%増の6.9万ドル、OECD平均が33%増の4.9万ドルと大きく伸びた。

それだけに企業に賃上げを求める声が広がってきたが、現実は容易ではない。

上場企業の4社に1社は4〜6月期の純利益が最高となるなど収益力をつけて

きたようにもみえるが、外需頼みは否めない。海外現地法人の売上高は

20年間で2.2倍に膨らんだ一方、国内は7%しか伸びていない。

なかなか成長しない国内で賃上げには踏み出せない状況が続いてきた。

アベノミクスは「官製春闘」を進め、ベア復活などを実現したが、先進国に

追いつくには力不足だった。企業が持続的に賃金を増やすには、国内事業の

付加価値を高めていくことが欠かせない。

デジタルトランスフォーメーション(DX)で生産性を高め、脱炭素など

新たな成長分野に果敢に取り組む必要がある。

そのためにも国は、規制緩和や企業の新陳代謝の促進などで積極的に

成長を促し、分配の元手となる経済のパイ拡大を進めなければならない。

 

米は1.5倍に

新政権、分配へまず成長を

 

第一生命経済研究所の永浜利広氏は「デフレにつながる需要不足が大きく

残る現局面では、成長が期待できる分野や気候変動対策への賢い財政支出を

増やし、経済の正常化に結びつける政策が優先されるべきだ」と指摘する。

衆院選で分配や格差が焦点となるのは「現時点の単純な所得の不平等では

なく、低い階層から高い階層に行きにくいといった階層移動の難しさが

ある」明治大学の飯田泰之准教授)。

こうした「格差の固定化」への対策も欠かせない。

「リスキリング(学び直し)」や公教育の充実で社会階層を上昇していける

機会を増やすことは国全体の成長の底上げにもつながる。

分配に必要な成長の道筋をどう描くのか。各政党は分配だけでなく、

どういった政策で成長を実現するかを有権者に示すことが大事になる。

(マクロ経済エディター 松尾洋平)

 

● 日本の年収水準は先進国平均の8割弱(購買力平価実績ベース)

 

   米国      6.9万ドル(約778.5万円)

   ドイツ   5.5万ドル(約620.1万円)

   英国      4.8万ドル(約541.5万円)    OECD平均4.9万ドル(約552.8万円)

   日本    3.9万ドル(約440.0万円)

   (出所)OECD

 

● 米英は富の偏在が大きい(上位1%世帯の資産が全体に占める割合

 

   米国          40%

   英国           23%

   ドイツ      18%

   カナダ      17%

   フランス   16%

   イタリア   14%

   日本        11%

    (出所)OECD  (注) 2014〜19年における各国の最新数値

 

● 争点

 

争いの的になっている主要点。「議論の―をしぼる」

 

● 経済協力開発機構(OECD)

 

経済協力開発機構(けいざいきょうりょくかいはつきこう)は、国際経済

全般について協議することを目的とした国際機関公用語の正式名称は、

英語では”Organisation for Economic Co-operation and Development”[1]

フランス語では”Organisation de Coopération et de Développement

Economiques”。略称は英語ではOECD、フランス語ではOCDE

本部事務局はパリ16区の旧ラ・ミュエット宮殿フランス語版)に置かれて

いる。事務総長はマティアス・コールマン英語版)。

 

● 分配政策

 

経済政策の一つで、税制や社会保障制度を使って富裕層などから所得や

富を移転させ、より公平な経済をめざすこと。

貧困を生み出す過度な経済格差を是正する効果がある一方、経済成長を

けん引する一部の層の負担が増すことで、結果的に経済全体の効率性を

下げてしまうという批判もある。

 

● ジニ係数

 

社会の所得格差をわかりやすく数値化することができる指標をジニ係数と

言います。ジニ係数は、1936年にイタリアの統計学者のコッラド・ジニが

考案しました。収入の格差社会は、その実態が表面化しにくいことが問題を

深刻化させている理由のひとつです。

ジニ係数を理解することで、所得格差の原因や課題を浮き彫りにし、

わたしたちひとりひとりにできることも見えてくるかもしれません。

 

● 官製春闘

 

春闘の労使間交渉に政府が介入することを揶揄 (やゆ) していう語。

[補説]平成25年(2013)、政府が政労使会議を開き、経済界に賃金の

引き上げを要請。 これを反映する形で高水準のベースアップが行われ

たことから、マスコミ等で用いられるようになった。

 

● デジタルトランスフォーメーション(DX)

 

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、2004年にスウェーデンの

ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念。

その内容は「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」と

いうものです。

言い換えると、進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活を

より良いものへと変革すること”。「Digital Transformation」を直訳すると

「デジタル変換」という言葉になりますが、変換”というよりも“変革”と

いう言葉が鍵になります。

ただし、DXが及ぼすのは単なる「変革」ではなく、デジタル技術による

破壊的な変革を意味する「デジタル・ディスラプション」。

すなわち、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベ

ーションをもたらすものです。

 

● 脱炭素社会

 

脱炭素社会とは、地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの実質的な

排出量ゼロを実現する社会をいいます。温室効果ガスの排出量を抑制し、

排出された二酸化炭素を回収することで、温室効果ガスの排出量を全体と

してゼロにするものです。

この、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を抑制するという概念は、

「カーボンニュートラル」とも呼ばれています。

 

● 規制緩和

 

行政当局による産業や経済に関する規制を廃止したり緩ゆるめたりすること。

経済のサービス化や活性化を推し進めるため、規制緩和は世界的な潮流と

なっている。▽一九九〇年代の日本では、経済・社会面でさまざまな規制が

あり、国内外の経済活動に支障を来している。とりわけ、海外からの日本の

市場参入を困難にしており、政府も課題だった規制緩和に本腰を入れ

始めている。

 

● 新陳代謝

 

古いものがだんだんなくなって、新しいものに入れ代わること。また、

生物が生活の持続のために、体内に必要なものを取り入れ、不必要なものを

体外に排出する作用をいう。組織の若返り。▽「陳」は古の意。

「代謝」は代わり来たり辞し去る意で、新しいものが来て交代し、古い

ものが辞し去ること。「謝」は衰える、しぼむ意。また、去の意。

 

● 階層移動

 

社会成員が一定の社会的位置から他の社会的位置へ移動すること。

 移動の仕方は水平移動と垂直移動に分けられる。 前者は同一水準にある

社会的位置間の移動で,同一家格間の婚姻や職業の世襲など。

後者は上下関係にある社会階層間の移動で,人の地位の上昇・下降など。

 

● リスキリング(学び直し)

 

リスキリング」とは、働き方の多様化や技術の進展などにより、社会が

大きく変わり行くなか、新たな職業に就いたり、今の職業で今後求められる

業務を遂行したりするために必要なスキルや知識を獲得する取り組みを

意味する。2021/09/27

 

● 公教育

 

公的性格をもつ教育。国または地方公共団体およびその機関によって管理・

運営される国公立学校の教育のほか、私立学校・各種学校の教育や社会

教育も含まれる。


 

「働き方改革」や「ジョブ型雇用」、「70歳定年制」「45歳定年」等々、

いろいろな〝キーワード〟を新聞で拝見しています。

以前のような〝終身雇用〟が見なおされている中で、企業の業績に依存

するだけでは、思うように年収も向上していかないように思います。

副業・兼業等含め、〝自分で稼ぐ〟方法を模索していくしかないように

感じます。

〝労を惜しまない〟〝スキルアップ〟を目指して、年収アップを図るしか

ないのではないでしょうか。

 

● 労を惜しまない

 

苦労することを厭わずに、熱心に取り組むこと、またそのさまなどを

意味する表現。

 

● スキルアップ

 

スキルアップとは訓練を通して自分の持つ能力を向上させることを

指します。訓練によって自分が現在持ち合わせていない能力を新たに

手に入れることも、スキルアップの定義のひとつ。 

スキルアップという言葉は、今保持しているスキルだけでなく、新たに

資格取得を目指すといった場合も含めた広い意味でとらえる必要がある

のです。2018/07/06

 

 

2021.11.7

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

 

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