Coffee Blake-令和3年11月12日(金)「Smart Work」
日経新聞-2021年(令和3年)11月5日「Smart Work 多様性が競争力つくる」の
記事が掲載されておりました。
当社は「シニア」を対象にいろいろな形で支援することを目的として
おります。
『起業・創業・副業・兼業』等々から『セカンドライフ、年金、就業、
資産運用、相続、終活等々』。
当社の『シニア』とは、40代からとなります。
私と同年代の方々も含め、これからの時代を〝どのようにして暮らして
いくか〟をいろいろな情報を収集し、ご提案したいと考えております。
今回は、〝シニアの働き方〟についての参考となります。
是非、ご覧下さい。
2021.11.12
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
Smart Work
多様性が競争力つくる
少子高齢化に歯止めがかからない日本。
パーソナル総合研究所と中央大学の共同調査によれば、2030年時点で
国内の労働需要を644万人上回る。企業の競争力を維持するには、多様な
働き手の能力を生かす取り組みが不可欠だ。
人手不足解消の切り札の一つがシニア層だ。
定年延長などでシニアの労働参加を増やせば163万人の労働力を上積み
できる。外国人労働者の受け入れ(81万人)などを上回る。
21年4月の高年齢者雇用安定法の改定で、70歳まで従業員の就業機会を
確保することが努力義務となった。日本企業の7〜8割は現在60歳定年
だが、人出確保の必要性と法規制への対応から、多くの企業が社員の現役
期間の延長に動き出した。
21年のスマートワーク経営調査で、定年が61歳以上の企業の割合は19.7%。
19年の調査時の比率の2倍以上になった。不動産運用のいちごなど3社は
定年が70歳。ソフトの動作検査のSHIFTは19年に、定年を60歳から70歳に
引き上げた。「年齢とパフォーマンスは無関係で、年齢だけで働く時期を
制限するのは無意味と判断した」(同社)
総合ランキングの上位にもシニア活用で先行する企業が多く入った。
シニア活躍へ体制整備
ダイキン工業は21年4月、65歳だった再雇用の年齢上限を70歳に引き上げた。
従来も特殊な技術を持つエンジニアなどに限り65歳超の雇用を認めていたが、
今後は働き手が希望する限り70歳まで働けるようにした。
大量採用のバブル期入社が50代後半にさしかかる同社。海外事業の成長も
加速するなか、将来の技術者の不足に先手を打つ。
再雇用の拡大に伴い60歳以上の従業員の比率は21年度の7%から、30年度には
16%に上昇する見通しだ。
岩井雅志さん(65)は同社で約30年間、空調機器のメンテナンス技術の開発に
携わってきた。20年には人口知能(AI)に詳しい20代の若手とタッグを組み、
AIを活用した高精度の故障予知システムも開発した。
「仕事のテーマは幅広く飽きることはない。若い世代との共同作業から
新たな刺激もある」と話す。
再雇用者には上司と話し合って勤務日数や勤務時間を決める「個別設定型
勤務」を導入するなど、体力や家族の事情に合わせた多様な働き方を認める。
各部署でのシニアと若手の連携など、世間間融合にも力を入れる。
定年引き上げ2割が実施
シニア活用の課題は賃金だ。働き手の現役期間が長くなれば採用抑制を
しない限り総人件費は膨張する。すべてのシニアについて、現役時代と
同じ処遇を維持するのは困難となる。
調査でも61歳以上に定年を引き上げた企業の47%が、報酬は60歳までと
比べて2〜5割程度下がると答えた。
一方で極端に待遇が悪化すれば、モチベーションの低下は避けられない。
三菱ケミカルホールディングスは22年4月、中核事業会社の三菱ケミカルの
定年を60歳から65歳に引き上げる。これに先立ち、能力と経験に基づく
「職能給」と成果などに基づく「職務給」で構成していた給与を、21年4月
から職務給に一本化した。
成果や役割次第で60歳以降でも賃金が上がる。能力のあるシニアのやる気を
引き出す狙いだ。将来的な定年の廃止も検討している。
SCSKは、再雇用する60歳以上のシニアの給与を、基本給と成果に応じて
支給する「グレード別加算給」の2階建てにしている。
加算給部分は最大500万円程度。基本給は現役時代より減るが、成果次第で
現役時代と遜色ない支給水準になる。優秀なシニアの引き留めにつながる。
日本では大多数の働き手が50代以降、キャリアも給与も下り坂に入る。
増えるシニアを組織で活用しきれず、持てあます企業も少なくない。
「生涯現役」時代が近づく中、シニアの持つ知見やスキルを引き出し、
競争力につなげる戦略が求められている。
シニアと並び、日本企業の人材戦略のカギを握るのが女性だ。
多様化する社会に対応できる柔軟な発想を育み、成長力を確保するには、
女性の管理職や経営層を育成することが重要だ。
2021年のスマートワーク経営調査では調査対象企業の執行役員に占める
女性の比率は平均3.5%(20年は3.1%)、課長担当職(ライン)で8.5%(同8.4%)に
とどまる。女性が1人以上、部長担当職以上(ライン)にいる企業の割合は
59.5%(同56.6%)だった。
いずれの数値も確実に上昇しているが、海外との差は大きい。
米英仏などの女性管理職比率は3〜4割に達する。
各国の社会進出の男女格差を測る世界経済フォーラム(WEF)のジェンダー
ギャツプ指数でも、日本は156カ国中120位(21年)に沈む。
女性登用も賃金格差なお
女性登用の遅れと表裏一体の関係にあるのが男女の賃金格差だ。
調査では女性の平均年収(45歳時点)は594.6万円で、男性より約247万円
(29.4%)低い。女性は男性に比べ昇進スピードが遅く、給与水準が高い
管理職の割合が低いことが影響している。
背景には滅私奉公型の長時間労働が出世の条件となる日本の企業文化も
ある。女性でも家事や育児の負担が大きい社員は、労働時間の長さで評価
されると不利だ。産休や育休でキャリアが中断されるため、会社が男性
社員に比べて能力開発に消極的になる側面もある。
この結果「女性は男性より能力が劣る」という偏見が増強される。
女性社員の状況を当事者として理解し、人事戦略や人材配置の決定に反映
できる幹部を増やすことが、男女の待遇格差をなくす一里塚だ。
総合ランキングの上位企業はこの課題に率先して取り組んでいる。
SOMPOホールディングスは20年から、グループの女性役員が将来の幹部
候補の女性社員とオンラインで対話する「ラウンドテーブルミーティング」を
始めた。約90人の参加者から「自分に何が足りないか、何を努力すべきかを
見つけられた」などの声が上がった。23年度末までにグループ全体の女性
管理職比率を、209年度末の24%から30%以上に引き上げる目標の達成に
つなげる狙いがある。
KDDIは22年度にグループの中核を担う「経営基幹職」の女性を21年4月
時点の175人から200人以上に増やす計画だ。
経営基幹職には管理職だけでなく人事や渉外などの専門職も含まれ、女性の
キャリア選択の幅を広げている。経営幹部候補の育成研修でも参加者の
20%以上を女性とし、コンサルタントによるコーチングなどを通じ、各人の
希望や志向を重視したキャリア設計を支援する。
資生堂も21年1月時点で約35%の国内の女性管理職比率を将来的に50%に
高める目標を掲げる。事業所内保育所の整備などに加え、出産後に職場
復帰する女性社員の不安を軽減するセミナーなどを行なっている。
欧州主要国はすでに企業に対して一定以上の女性役員比率を義務付ける
「クオータ制(割当制)」を導入しており、ノルウェーなどには違反企業に
対する罰則もある。欧州連合(EU)は21年3月、加盟国に男女の賃金格差を
是正する法制整備を促す指令案を発表した。企業に格差の状況の開示や
是正措置を求める内容で、女性の就業環境をさらに改善し、働く意欲を
高める狙いだ。
日本も女性活躍推進法が一定規模以上の企業に、女性登用について数値
目標を含む行動計画の策定を義務付ける。22年4月には対象となる事業者が
拡大されるが、罰則はなく、対応は企業の自発性に委ねられている。
これ以上、諸外国に後れをとらないためには、女性登用に取り組む企業への
助成制度や税制優遇なども検討課題だ。何よりも長時間労働の是正など、
女性が評価されやすくなる働き方改革の継続が欠かせない。
(雇用エディター 松井基一)
● モチベーション
これは、「動機付け」という意味です。
「刺激」や「やる気」という意味もあります。
物事を進める上での意欲となるものという意味全般で使います。
● 成果
あることをして得られたよい結果。「研究の―」「―をあげる」
● 遜色ない
遜色が無い 見劣りしない、負けていない、品質などが同程度である、
などの意味の表現。 「遜色」は、劣っている、という意味。
● 多様化
様式や傾向などが、多くの種類に分かれること。
● 表裏一体
相反する2つのものが大もとでは1つであること。
また、2つのものの関係が密接で切り離せないこと。2020/06/21
● 滅私奉公
私利私欲を捨てて、主人や公のために忠誠を尽くすこと。
▽「滅私」は私利私欲を捨てること。「奉公」は国や社会などの公、
または、主人や主君・上位の者などに自分の身をささげて尽くすこと。
● 偏見
かたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、客観的な根拠なしに
いだかれる非好意的な先入観や判断。「―を持つ」「人種的―」
● 一里塚
1. 主要な街道に1里(約927キロ)ごとに築かれた塚。
榎 (えのき) ・松などが植えられ、旅人のための里程標となった。
2. 大きな仕事や目標へむかう過程での一つの段階。
「遠大な計画の―ともなる事業が成った」
● 基幹
物事のおおもと、中心となるもの。「―部門」
● コンサルタント(consultant)
企業経営などについて相談を受け、診断・助言・指導を行うことを
職業としている専門家。「経営―」
● コーチング(coaching)
1. 運動・勉強・技術などの指導をすること。
2. 自分で考えて行動する能力をコーチと呼ばれる相談役との対話の中から
引き出す自己改善技術。1990年代に米国で社員育成技法として始まる。
● 志向
意識が一定の対象に向かうこと。
考えや気持ちがある方向を目指すこと。指向。
「高い―をもつ」「音楽家を―する」「上昇―」
● キャリアデザイン
キャリアデザイン」とは、自分の職業人生を自らの手で主体的に構想・
設計=デザインすることです。自分の経験やスキル、性格、ライフスタイル
などを考慮した上で、実際の労働市場の状況なども勘案しながら、仕事を
通じて実現したい将来像やそれに近づくプロセスを明確にすることが、
キャリアデザインの要諦です。
● クオータ制
政治における男女平等を実現するために、議員・閣僚などの一定数を
女性に割り当てる制度。北欧諸国などで、法制化して実施されている。
● 女性活躍推進法
女性活躍推進法は、女性が社会で活躍しやすい環境をつくることを目的と
した法律で、女性の就業に関するさまざまなルールを定めています。
正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」ですが、
通常は「女性活躍推進法」と略して使われています。
ここでご紹介している企業の他にも、いろいろな取り組みをしている企業が
たくさん、あります。
将来に向けた取り組みですので、充分にご参考にされてはいかがでしょうか。
私は、〝企業の取り組みを理解する〟ことで、自分に何ができるのかを
考えるべきだと思うのです。
少しでも、近づけることを目標に〝努力〟〝精進〟〝リスキリング〟等々、
いつか必ず報われると信じて、皆さん頑張りましょう。
2021.11.12
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美