お問い合せ

「人を動かす人」になれ! ①

2021.11.6「代表のブログ-教育岩盤」で日本電産会長 永守重信氏の記事を

ご紹介致しました。

 

先日、「ブックオフ」に立ち寄り、本棚を見ていたところ、「人を動かす

人になれ 著者/日本電産社長 永守重信」に目が止まり、すぐに買ってしまい

ました。

 

表紙を見ると、1998年12月10日=第1刷発行(私が、満43歳)、2009年3月

25日 =50刷発行(私が、満54歳)となっておりました。

随分、前に発売されていることを知り、気がつきませんでした。

今、読んでいる最中ですが、充分に現代、将来を見据えた内容と感じました。

この書籍を十分にご紹介するには、大変なエネルギーが必要ですので、

〝私個人の参考・戒め〟と思った箇所をピックアップしてご紹介したいと

思います。

 

あくまで〝6年前〟であることを念頭に入れていただければ、〝現代、

将来〟に向けての参考に、十分になると思います。

 

2021.11.18

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

人を動かす人になれ!

 

 日本電産社長(現会長) 永守重信

 

はじめに

 

どんな状況にあっても、

   〝この一言〟が言えるか

 

会社の経営はバランスシート、すなわち借方と貸方のバランスで成り

立っている。常にこの数字のプラスマイナスはゼロ。

どちらかが大きかったり、小さかったりすることはない。

わたしは、高校時代に近所の小中学生を集めて塾を開き、これでかなり

お金を貯め、それを資金にして株式に投資をした。

この結果、学生時代からバランスシートも読めるようになったが、会社

経営をはじめてから、これがたいそう役にたった。

勝ちと負け、成功と失敗、苦と楽、温情と冷酷、褒めることと叱ること——、

季節に夏と冬があり、一日のなかに昼と夜があるように、こうした微妙な

バランスのうえに人間社会は成立している。

特に、人を動かしていく場合には、このバランス感覚が非常に重要となる。

つまり、収支をゼロにすることを忘れてしまうと、途端に人は動かなく

なってしまう。

たとえば、苦と楽であれば、いまはこれだけ苦労をかけるが、将来これ

だけ楽になる、あるいは喜びがあるということを明示し、この約束を

果たさなければ人は動いてはくれないということである。

温情と冷酷も、褒めることと叱ることも理屈は同じだ。

そのイメージとして、これまでわたしは社員や部下の一人一人に対して、

心のなかで貯金通帳を発行してきた。

仮に一回叱ると一ポイントプラス、一回強く叱ると二ポイントプラスする。

次にフォローとして褒めちぎりのラブレターを書いて、このプラス三ポイ

ントを帳消しにしていくといった具合だ。

本物の貯金通帳がプラスになるのはうれしいことだが、人を動かす貯金

通帳は、黒字になりすぎても、赤字になりすぎても、結果としては失敗

なのである。常に帳尻を合わせておくようにしなければ、社員や部下の

動きはどんどん鈍っていくことになる。

もう一つ、経営者や管理者が心得ておかなくてはならない大事なことは、

どんな状況にあっても「アイ・アム・ファイン!」といえるかどうかだ。

これは、創業間もないころに出張先のアメリカで、体調を崩して病院に

運ばれたときのエピソードである。

現地のドクターから「調子はどうだ」と聞かれて、わたしは全身にじん麻疹を

出しながら、力のない声で「ノット・ファイン」と答えた。

すると、そのドクターから「あなたはどんな仕事をしているのか」と再度

質問があった。「小さな会社を経営している」とわたしが応じると、

「経営者がそんな弱気では会社は危ない。

いつも『ファイン』と答えなさい」とアドバイスを受けた。

そして、そのドクターのいう通り「ファイン、ファイン」と口のなかで

繰り返していると、不思議なことに力がわいてきた。

「病(やまい)は気から」とはよくいったものである。

これは人を動かすときにもそっくり当てはまる。

人を動かす立場にある人間が、たとえわずかでも後ろ向きの考え方を

したり、消極的な態度や姿勢をみせたとき、下の者はそれを敏感に感じ

取り、動かなくなってしまうのである。

わが社も、わが社の社員も、そしてわたし自身もまだまだ発展途上である。

将来はすばらしい可能性で満ち満ちている。そうした可能性に対して、

わたしはこれまで通り粛々とチャレンジしていこうと思う。

ただ決して全力投球ではなく、多少なりとも余裕を残しつつ—-。

 

                                      永守 重信

 

● バランスシート

 

バランスシートは会社の財政状況を表す「貸借対照表」のこと。

決算書の一種で、同じく会社の1会計期間の経営成績を表す「損益計算書」と

同時に作成されます。

 

・貸借対照表について

「貸借対照表」とは、企業の一定時点の財政状況を「資産」「負債」

「純資産」から見る決算書のこと。

 

  ● 資産:将来の収入につながるもの(現金預金や株式など)

  ● 負債:将来の支出につながるもの(未払金や借入金など)

  ● 純資産:株主から会社へ出資された資本金のこと

 

貸借対照表を見ると、「決算時に会社がどんな財産(資産)を持って

いるのか・財産のもととなるお金(負債、純資産)はどうやって集め

てきたものなのか」が分かります。

 

● 帳尻を合わせる

 

1. ある物事について整合性を持たせるようにつじつまを合わせること。

2. 帳簿の最終的な収支がきちんと合うようにすること、帳尻を合わせる

    ことを意味する表現。

 

● アイ・アム・ファイン

 

I’m fine. のfineとは、goodやOKと同じような意味があります。

ようは良い、大丈夫という事を言っています。2019/07/15

 

● 病(やまい)は気から

 

病気は、その人の心の持ち方しだいで軽くもなるし、また重くもなると

いうこと。

 

● 発展途上

 

これから栄えていく、または、現在勢いを伸ばしつつあるさま。

特に、経済や文化が先進国に比べて低い国を「発展途上国」と言う。

 

● 満ち満ちている

 

「満ちている」の「満ち」が繰り返されているので、「満ちている」が強調

された意味です。 (例文)幸福に満ち満ちている。

 

● 粛々

 

粛々」は厳かな様子や、静かな様子などを表す言葉。

粛々と進める」などと使われる。

 

 

この続きは、次回に。

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