P.F.ドラッカー 「仕事の哲学」③
□ 完全な仕事とは何か
紀元前四四○頃、ギリシャの彫刻家フェイディアスは、アテネのパンテ
オンの屋根に建つ彫像群を完成させた。だがフェイディアスの請求書に
対し、アテネの会計官は支払いを拒んだ。
「彫像の背中は見えない。見えない部分まで彫って請求してくるとは
何事か」。
それに対し、フェイディアスは答えた。
「そんなことはない。神々が見ている」。
—-『創生の時』
□ 自らを重要と感じるとき
人は誇れるものを成し遂げて、誇りをもつことができる。
さもなければ、偽りの誇りであって心を腐らせる。
人は何かを達成したとき、達成感をもつ。
仕事が重要なとき、自らを重要と感じる。
—『現代の経営』
□ 外なる成長と内なる成長
自己啓発とは、能力を修得するだけでなく、人間として大きくなること
である。責任に重点を置くことによって、より大きな自分を見るように
なる。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。
一度身につけてしまえば失うことのない何かである。
目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。
—-『非営利組織の経営』
□ 焦点を仕事に合わせる
焦点は仕事に合わせなければならない。
仕事が成果をあげられものでなければならない。
仕事がすべてではないが、仕事がまず第一である。
—-『マネジメント』
□ 仕事が方向づけを行なう
仕事は人の成長を促すとともに、その方向づけを行なうべきものである。
さもなければ、仕事は人それぞれの特質を発揮させることはできない。
—『現代の経営』
この続きは、次回に。