ピーター・F・ドラッカー「経営者の条件」⑪
✳️️「私は」ではなく「われわれは」を考える
もう一つ身につけるべき習慣が、「私は」とはいわずに、「われわれは」
と考え、「われわれ」ということである。
最終責任は自らにあることを知らなければならない。
最終責任とは、誰とも分担できず、誰にも委譲できないものである。
トップが権威を持ちうるのは、自らのニーズと機会ではなく、組織の
ニーズと機会を考えるからである。簡単なことのように聞こえるがそう
ではない。しかも厳格に守らなければならない。
ここまで、成果をあげるための八つの習慣について述べてきた。
もう一つおまけを加えたい。あまりに重要なことなので、原則に格上げ
したいくらいである。聞け、話すな、である。
成果をあげるには、性格、強み、弱み、価値観、信条はいかようであっても
よい。なされるべきことをなすだけでよい。
確かに生まれつき成果をあげるという人たちもいる。しかしわれわれは、
生まれつきの才能に頼るわけにはいかない。
成果をあげることは習慣である。したがって、他の習慣と同じように
身につけることのできるものである。
そして身につけなければならないものである。
この続きは、次回に。