ピーター・F・ドラッカー「経営者の条件」㊿+15
今日の人事考課制度に忠実に従って部下の弱みに焦点を合わせたりすれば、
上司と部下との関係は破壊される。組織の内部規定による人事考課を実行
していないエグゼクティブは、健全な本能に従っているといえる。
欠陥や短所や弱みに焦点を当てる考課面談を嫌うことも完全に理解できる。
患者として助けを求めてきたとき、その人の欠陥について話をすることは、
治療者としての責任である。しかしそのようなことは、ヒポクラテス以来、
医師と患者との間の特別な関係に限られる。
組織における上司と部下の間の権限に基づく関係とは違う。
欠陥を中心に据えたのでは、継続してともに働くことは不可能となる。
したがって、定められた人事考課制度を使うエグゼクティブがいないと
いう事実は驚くに当たらない。その制度は不適切な目的のための、不適切な
状況における不適切な手法である。また現在の人事考課制度とその背後に
ある思想は、潜在能力にあまりに関心をもちすぎる。経験のある者ならば
誰でも知っているように、将来の可能性や別の仕事での可能性など評価
することはできない。
潜在能力とは見込みがあったとしても、実現されないことのほうが多い。
逆に見込みがないと思われていた人たちが実際には成果をあげる。
● 内部規定
内部規程は、形式的に定めるだけでなく、自社にはどのような方法が
最適なのかを考えつつ、策定していくことがポイントになります。
● 人事考課
人事考課とは、経営者や人事部、または管理職が、従業員の貢献度や業績、
また個人の能力を査定する人事制度のことです。
人事考課の結果は、給与や賞与、また昇格・昇進など役職などに反映され
ます。2018/05/08
● ヒポクラテス
ヒポクラテス(ヒッポクラテース、古代ギリシア語: Ἱπποκράτης、英語:
Hippocrates , 紀元前460年ごろ – 紀元前370年ごろ)は古代ギリシアの
医者。
この続きは、次回に。