お問い合せ

P・F・ドラッカー「創造する経営者」⑩

(8) 業績の鍵は集中である。

 

業績をあげるには、大きな利益を生む少数の製品や製品ライン、サービス、

顧客、市場、流通、用途に集中しなければならない。

あまりに規模が小さいために、あるいは分散しているためにコストを発生

しているだけの製品に対しては、できるかぎり力を入れないようにしな

ければならない。業績をあげるためには、コストの改善が業績に大きな

影響を与える数少ない分野、すなわち、わずかな能率の向上が大きく業績を

改善する分野に仕事と労力を集中しなければならない。

そして、人材は、少数の大きな機会に集中しなければならない。

特に、成果をあげる知識をもつ高度の人材についてこのことがいえる。

そして何よりも、このことは、あらゆる人材のうち最も稀少で最も高価

であるばかりでなく、最も大きな成果をあげうる人材、すなわち経営者に

ついていえる。

今日、効率性の原則のうち、集中の原則ほど守られていないものはない。

企業だけではない。政府はあらゆることに少しずつ手をつけている。

今日のマンモス大学、特にアメリカの大学は、教育と研究、地域貢献活動、

コンサルタント活動等、あらゆることをしようとしている。

しかし、企業特に大企業の活動も、これらに劣らず拡散している。

かつてアメリカの産業は、意図的に製品の陳腐化を図っていると避難

されていた。また、規格化を進めていると避難されていた。皮肉なことに、

アメリカの産業は、行っていなければならないにもかかわらず十分行って

いない人について、行っているといって非難されていたことになる。

 

 

この続きは、次回に。

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