シニアアカデミー「レディス&ジェントルマン」世田谷校㊳
今回は、「高齢者の転倒・転落と無理な動作」について、
「転倒・転落」
□ 高齢者が転倒・転落するとどうなるか?
○ 高齢者にとっての転倒の危険性
高齢者にとっての転倒は、骨折や脳内出血、頭部挫傷など重大な外傷につながる恐れが
あります。転倒により長期安静状態になると、著しくADLが低下する恐れがあります。
著しくADLが低下してしまうと、もとの身体能力に戻らないことがあるため、転倒を
発生させないことが重要です。2023/08/21
□ ADL
日常生活活動度(Activities of daily living;ADL)とは、人が生活を送るために行う
活動の能力のことである。手段的ADLとは高次のADLで買い物、食事の準備、服薬
管理、金銭管理、交通機関を使っての外出などのより複雑で多くの労作が求められる
活動を意味する。
□ 高齢者が転ぶのはなぜ?
高齢になると徐々に、筋力や身体機能が低下しバランスを崩しやすくなります。
瞬発力や柔軟性なども衰えるため転倒しやすくなるのです。加齢とともに本人が思って
いる動作と実際の動作に差が生まれ、思ったとおりに動けず転倒してしまうこともあり
ます。
□ 高齢者がベッドから転落する原因は何ですか?
■ベッドを降りようとする原因はオムツ
実はベッドからの転落には2種類のケースがあることが判っています。
1つ目は「ベッドから降りる意思がないのに、ベッド上で多動になって(動き回って)
間違って落ちてしまう」 というケース。
2番目は「ベッドから降りようとして誤って落ちてしまう」というケースです。
「無理な動作」
□ 高齢者が立てない理由は何ですか?
立ち上がる動作が高齢になると難しくなる原因は、おもに「下半身の筋力の低下」
「関節の硬さ」「姿勢の悪さ」の3つが挙げられます。立ち上がり動作の改善には
簡単な下半身の筋力トレーニングや福祉用具の使用がおすすめですが、トレーニングが
なかなか進まない方や福祉用具のレンタル方法が分からず困っている方も多いのでは
ないでしょうか。2024/01/11
□ 高齢者はなぜ動作が遅いのでしょうか?
○ 加齢に伴う歩行速度の変化
高齢になると股関節や膝関節といった関節の可動域(動きの範囲)が狭くなり、筋力も
低下して足が上がりにくくなります。その結果、猫背になり、足がもつれたりふらつい
たりすることから、転倒しないよう慎重になって歩幅が狭くなり、歩行の速度が遅く
なります。
□ 無理な動作と反動の違いは?
「動作の反動・無理な動作」とは、事故の型分類に含まれないケースであって、重い
物を持ち上げて腰をギックリさせたというように身体の動き、不自然な姿勢、動作の
反動などが起因した災害をいう。バランスを失って墜落、重い物を持ちすぎて転倒など
の場合は、無理な動作などが関係したものであるが「墜落・転落」や「転倒」に分類する。
□ 高齢者がつまずかないようにするにはどうしたらいいですか?
つまずきやすい場所では、手すりやスロープを設置する、物を移動させるなど、転倒し
づらい環境整備を心がけることが大切です。ほかにも、スリッパをはかないようにする、
コード類は壁際に沿わせる、滑り止めのマットを設置するなど、いろいろなアイデアが
あります。生活環境にマッチした対策を講じてみてください。2023/05/22
私は、「福祉住環境コーディネーター」でもあります。
□ 福祉住環境コーディネーター 何をする?
福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案
するアドバイザーです。医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種
の専門職と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを提示します。
また福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。
「転倒・転落」を予防するためにも、「バリアフリー」も重要です。
□ バリアフリーとはどういう意味ですか?
バリアフリーという言葉は、もともとは建築用語として、道路や建築物の入口の段差な
ど物理的なバリア(障壁)の除去という意味で使われてきましたが、現在では、障害の
ある人や高齢者だけでなく、あらゆる人の社会参加を困難にしているすべての分野での
バリア(障壁)の除去という意味で用いられています。
高齢者になってから「寝たきり状態」になると、健常者になるには時間が必要となります。
私の母は、「両足-足裏にできもができ、ベットで過ごす状態」になってしまいました。
人間は「二足歩行」です。従って、「寝たきり状態」は、健康を害することに繋がると
思っています。
□ 人間はなぜ二足歩行
直立二足歩行の方が草原で背伸びして遠くの外敵を早く発見し危険を回避できる。
更には、草原で食物を求めて広い範囲を動き回るには、ゴリラやサルのような四足歩行
より直立二足歩行の方がエネルギー効率が良くて疲れが少ない。また、大脳がだんだん
と大きくなっていったヒトでは、四足歩行ではバランスがとれない。
□ 二足歩行を始めた理由は何ですか?
気候変動による森林の後退にともなう長距離移動が、とくにどのような選択圧がかかって、
それが姿勢や移動の形態を変えるようになったのかを明らかにした。
国際チームの結論は、最大限に効率よく貴重な品を持ち運ぶために直立二足歩行になった
という、直立二足歩行の運搬起源説である。2012/03/20
□ 人間が二足で歩ける仕組みは?
身体には、まず重力が作用します。 この身体を下向きに動かそうとする力に対して、
足によって地面からの反力を適切に作り出すことによって、我々は二足で立ち、歩く
ことができています。 これが一番単純な歩行の仕組みです。2018/08/14
□ 二足歩行の欠点は何ですか?
二足歩行というのは、四足歩行に比べてスピードが出ないという致命的な欠点がある。
また、二足歩行に適した脊椎や骨盤の特殊な形状が腰痛や出産の困難さを引き起こす。
他にも、膝の靱帯損傷、下肢の静脈瘤や副鼻腔炎などといった疾患も直立歩行がゆえだ。
□ 人間の直立二足歩行のデメリットは?
一方で、ヒトの直立二足歩行には、以下に挙げる難点がある。
・重力の関係上、痔、胃下垂、ヘルニアなどの疾患に罹患しやすい。 …
・ほとんどの姿勢で頭部が安定しているため、首が細く弱い。
・重い頭部が高い位置にあるため、バランスが悪く、転倒すると危険である。 …
・喉、心臓、腹部、股間等の急所が多い胴部前面を常に晒してしまう。
天気の良い朝に、二子玉川公園(世田谷区)でペットと一緒に、散歩をしている
高齢者の方々を多く見かけます。
また、両手にストックを持ちながら歩いている方もいらっしゃいます。
程よい散歩で、程よい汗をかいて、美味しい朝食をとり、眠くなったら
「朝寝」をする———。
こういう日常も良いと思います。
2024年7月28日
シニアアカデミー 「レディス&ジェントルマン」
事務局長 齊藤 弘美