「小さいことにくよくよするな! 」⑫
25. 知らない人にほほえみ、目を合わせてあいさつ
私たちがどれほど他人と目を合わせないようにしているか、気づいたことは?
それはなぜ? 怖いから? 私たちが他人に心を開こうとしない理由は?
その答えは私にもわからないが、わかっていることが1つだけある。それは、他人に
たいする態度と自分の幸福度はつねにパラレルだということだ。言いかえれば、しか
めっつらをして人を避けてうなだれて歩いている人に、穏やかな心で楽しんで生きて
いる人はいないということになる。
心を閉ざさずに社交的になれと提案しているのではない。他人の人生を明るくするため
に数トンもの余分なエネルギーを振りしぼれとか、必死で愛想のいいふりをしろとすす
めているわけではない。
私が提案したいのは、他人がちょっと自分と似ているな、と思ってみるということだ。
知らない人に思いやりと敬意を寄せるだけではなく、ほほえんだり目を合わせたりする
ようにつとめれば、自分の心に思いがけない変化が起きることに気づくだろう。
そうすれば、ほとんどの人は自分と似ていると思えるようになる—-みんな家族があり、
愛する人がいて、悩みや不安をかかえ、好きなこと嫌いなことがあるんだな、と。
こっちから先に行動すれば相手がどんなに優しく反応するか、それにも気づくだろう。
人はみな自分と同じ人間だと気づくと、すべての人の中にある純粋さが見えてくる。
その純粋さに気づくと、心の奥か深い幸せ気分がわいてくる。
26.毎日、一人霧の静かな時間をもつ
(中略)
ほんの10分の瞑想でもいい、自然のなかで過ごすのもいい。バスルームのドアに鍵を
かけて10分間の入浴を楽しむのもいい。自分だけの静かな時間をもつのはとても重要だ。
一人きりの時間をもつと、その日の騒音や混乱が薄らいでいく。
私の例でいうと、静かな時間をもつことで、その一日がなんとか切り抜けられそうに
思える。その時間がとれないと、明らかにちがいが出てくる。
(中略)
27.むかつく相手を、幼児か100歳の老人だと想像する
このテクニックを学んでから20年たつが、他人にたいするいらだちを静めるのに大い
に役立っている。
まずイライラさせられ、怒りたくなる人を思い浮かべる。次に目を閉じて、その人が
幼児になったところを想像する。いたいけな顔だち、無邪気に目。
私たちだってときには、とんでもないことをしでかす赤ん坊になることもあるんだ。
次に同じ人がよぼよぼに年をとって死にそうなところを想像する。疲れきった目、人生
の知恵と寛容を思わせる柔和なほほえみ。私たちだっていずれ、生きていようと死んで
いようと100歳になるんだ。
やってみれば、つねに客観的な視点に立つことができるし、相手に同情することができる。
私たちの目標がもっと穏やかで愛情深い人になることなら、他人を否定する気持ちは
もたないほうがいいに決まっている。
この続きは、次回に。
2025年5月23日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美