「小さいことにくよくよするな! 」㉛
67. 否定的な考えを素通りさせる
人は1日に平均5万もの考えを頭に浮かべると言われている。これはすごい数だ。
前向きで生産的な考えもあるが、残念ながら多くは否定的になりがち—-怒り、不安、
悲観。もっと心穏やかな人になるには、否定的な考えをもたないということではなく–
–それは無理というもの—-それとどう向き合うかが問題になる。
否定的な考えと向き合うには2つの手段しかない。その考えをじっくり分析してのめり
込むか、それを受け流して素通りさせるかのどちらかだ。もちろん、受け流すコツを
学ぶほうが穏やかな日常を送る近道であるのは言うまでもない。
ある考えが頭に浮かんだとする。それは1つの考えであって、それ以外のなにものでも
ない。あなたの同意なしに勝手に悪さをするはずもない。
たとえば、幼いころを思い出して「両親がちゃんとしてくれなかった」ことに怒りを
感じたとする。そのことにこだわりつづけて心の膿をためることもできる。頭の中で
それに意義を与えて、そのせいで自分は不幸なんだと確信することもできる。
あるいは、いま自分は頭の中で悩みごとの雪だるまを育てようとしてるんだと
気づき、それを受け流すこともできる。だからといって子供時代の悩みが消える
わけではないが、いまこの瞬間にどっちの思いを優先させるか、その選択権は
あなたが握っているのだ。
これと同じことが、たった5分前に考えたことにも応用できる。
玄関から出て会社に着くまでのあいだに頭の中で口論が起きている。それは今夜も、
来週も、いまから10日後も起きることだ。どの場面でも頭にひしめく否定的な思いを
受け流すようつとめれば、穏やかな感情がすぐそこにあることに気づくだろう。
そして穏やかな心境になれば、本来あなたに備わっている知恵と常識で自分がどうした
いのかわかるようになる。
この戦略は訓練が必要だが、その努力は確実にむくわれる。
この続きは、次回に。
2025年7月14日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美